前回紹介した5人の内の二人 小椋佳と榊原栄に関する追加話です
◎小椋佳と あの喜劇王チャップリンの共通点?!
tyapurin
チャップリン (wikipediaより)
小椋佳とチャップリンは”楽譜の読み書きができないのに名曲を作っている”
と言う点で共通
していますが 

“曲として完成させる手法”も共通しています 
それは先ず本人が曲想に基づいて口ずさみ 
それを別の音楽専門家が聴きながら譜面起こしをし 
編曲もする
のです
 
小椋の場合はその専門家の一人として安田裕美の存在があり
彼女は「よく小椋さんの家に行って曲作りと譜面おこしを手伝いました」
と述べています 

チャップリンの場合も彼の映画の中でスタッフ名掲示には音楽担当として
チャップリンとともに音楽専門家の名を併記することも多かった 

ただし小椋佳とチャップリンの二人とも
楽器が全く弾けないわけでもなく
 
小椋佳はギターが少しは弾けるし 
チャップリンにいたってはチェロ ヴァイオリン 
ピアノ ハーモニウム(一種のオルガン)などを
独習したものながら弾いていたので 

二人とも 曲想を練る際に
楽器を有効に使っている

チャップリンの作曲した曲の例としては・・
映画「ライムライト」の「テリーのテーマ」 
映画「モダンタイムス」の「スマイル」 
映画「ニューヨークの王様」の
「マンドリンセレナーデ」
(自身が指揮する演奏がコレ) などが有名

〇他にも います
前記の二人以外にも”楽譜の読み書きができない”とされている人として
井上陽水 桑田佳祐の名もあがっているが 
昔 よく知られていたのは美空ひばり この人はやはり天才的で 
かつて「題名のない音楽会」というテレビ番組だったかの中で 
楽譜の読めない美空ひばりにクラシックのオペラの一部を
歌ってもらったが 音楽評論家も賞賛していたほどであった

 
◎榊原栄が居たブラバンの演奏と朝礼行進
前回にも述べたように"山本直純の後継者と言われた榊原栄"
と私が通った東京都の豊島区立長崎中学校では 
校庭での朝礼などの集会の後 生徒たちが教室に戻る際に 
同校自慢のブラスバンド部員(榊原はトローンボーン担当)が
実演奏するマーチ(行進曲)に合わせて歩を進めた
ものでした
 
それによって同校の生徒たちは3年間聴かされると
部員ならずとも多くのマーチのメロディーを
口ずさめるようになりました
 
現在 日本ではブラスバンドという言葉は
使われなくなったようで 吹奏楽部と名をかえて 
全国の小学校から大学まで 世界的に見ても非常に多く
存在するようになっているそうですが 
“朝礼などに吹奏楽部が出演する学校”はあるのでしょうか?

さて私たちが覚えてしまったマーチは・・
「雷神」「忠誠」「星条旗よ永遠なれ」
「ワシントンポスト」(以上は作曲者スーザ) 
「旧友」(同タイケ)「双頭の鷲の下に」(同ワーグナー)
「エルカピタン」「美中の美」などで
 
朝礼時に最も使われたマーチは「旧友」だったと記憶しています


〇世界の「マーチ王」:スーザ 
「和製マーチ王」:古関祐而

米国の作曲家・指揮者スーザ(1854~1032年)は
100曲以上のマーチを作曲したので
「マーチ王」と呼ばれていますが ・・
su-za
スーザ(wikipediaより)
日本の古関祐而も 
1964年の東京オリンピック用の
「オリンピックマーチ」 
NHKのスポーツ中継番組冒頭に流れるテーマ曲
「スポーツショー行進曲」などを作曲して
「和製スーザ」と称されています

スーザも榊原もトロンボーン奏者だった
スーザは米国大統領直属ワシントン海兵隊楽団で 
そして榊原栄は中学校のブラスバンド部で 
二人ともトロンボーン奏者だったことは 
ちょっとした縁を感じさせます
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