◎ロータリー交差点で人身事故半減
昨(2019)年11月の朝日新聞に次のような内容の記事が掲載されました・・“信号機の無い「環状交差点」(ラウンドアバウト)を導入した全国87カ所では 人身事故がほぼ半減する効果が出ていることを警察庁が公表している
ただしこの「環状交差点」形式は交通量や歩行者が少ない郊外の生活道路や市街地の裏道 高速道路の出口に適するもので これ以外の地では渋滞が起きる”
※上記で「環状交差点」と称しているものは一般には「ロータリー」と呼ばれているものでしょう
この「ロータリー」形式で人身事故が減る理由の一つは“クルマの右折(クルマ右側通行国では左折)が無いから”であることはクルマを運転する方なら理解できることでしょう(長くなるので理由説明は省略)
新聞記事に添付の説明図では円形のロータリーでしたが 従来 実際の「ロータリー」特に駅前ロータリーはその形状が“円形”ではなく “円形を少し潰してやや細長くなっている形”のほうが多いように思います そこで想起されるのが「スーパー楕円」という形です
昨(2019)年11月の朝日新聞に次のような内容の記事が掲載されました・・“信号機の無い「環状交差点」(ラウンドアバウト)を導入した全国87カ所では 人身事故がほぼ半減する効果が出ていることを警察庁が公表している
ただしこの「環状交差点」形式は交通量や歩行者が少ない郊外の生活道路や市街地の裏道 高速道路の出口に適するもので これ以外の地では渋滞が起きる”
※上記で「環状交差点」と称しているものは一般には「ロータリー」と呼ばれているものでしょう
この「ロータリー」形式で人身事故が減る理由の一つは“クルマの右折(クルマ右側通行国では左折)が無いから”であることはクルマを運転する方なら理解できることでしょう(長くなるので理由説明は省略)
新聞記事に添付の説明図では円形のロータリーでしたが 従来 実際の「ロータリー」特に駅前ロータリーはその形状が“円形”ではなく “円形を少し潰してやや細長くなっている形”のほうが多いように思います そこで想起されるのが「スーパー楕円」という形です
◎スーパー楕円とは
一見すると 長方形の四つの角が大きなアールになっているような形なのですが 本当は楕円形の一種であり ただし“楕円を描くための数式の中で《ある数字》を当てはめてできる楕円“のことを示します
一般的な楕円の数式は・・
下の図でaは長軸の半分 bは短軸の半分にあたり a>b>0の場合でべき数が2以上が楕円 べき数の数字が大きくなるほど 長方形に近づく a=bのときは円になる
図は「なかけんの数学ノート」
https://math.nakaken88.com/textbook/basic-ellipse-circle-equation/より引用
このような楕円の中で上記数式内のべき数を“2.5”にした場合にできるのがスーパー楕円です つまり前出の式で2乗となっているのを2.5乗にするカタチです その実際のかたちは・・
これを応用したテーブル ホットプレート 照明器具 土鍋 マーガリン(ファットスプレッド)容器 など 以下の写真に見られるようなものです このスーパー楕円は一般的な楕円よりは柔らかな感じをもつという視覚的効果ばかりでなく 機能的な効用があります
◎テーブル:この形状ではカドらしいカドがないので 同じ縦・横の長さでも 長方形のテーブルよりも多くの人が囲める また直線部分も無いので着席の各人はすべての顔が互いに見えやすい さらに
円形テーブルのように 室内・店内の中でデッドスペースが多く発生することもないので “スーパー楕円テーブル採用のレストランや宴会場などは席数を増やすことができる”
フリッツハンセン社製↑↓
↑カドが無くやわらか感
このテーブルのオリジナルデザインは・・スーパー楕円発見者であるピート・ハイン(後述)と他2名の計3人によるもので 現在は“ジェネリック”モノが多数販売されています 私は過去に2回デンマークに行ったことがありますが さすがにスーパー楕円の発祥地 このカタチのテーブルは いたるところで目にしました
◎ホットプレート:電気や調理器のメーカー各社はスーパー楕円または それに近い形状モノを主流にしている ホットプレートが市場に登場した初期に各社が採用した円形は 家庭で多数派の長方形のテーブル上ではスペースや使い勝手の面で都合悪かったものです
ホットプレート(象印)
◎照明器具:縦断面がスーパー楕円 ピート・ハイン亡き後に親族が持つ“ピート・ハイン”ブランドの製品
◎キャセロール土鍋:これをデザインした井藤隆志氏によれば 「厚生労働省の予測では 2000年以降は一人世帯と二人世帯を合わせると全世帯の5割を超えるそうで これからは少人数用の手ごろな大きさで 火にかけてもテーブルにだしても収まりのよい形状としてスーパー楕円を採用した」とのこと
写真は 井藤氏のpdweb.jp/column/goddesign/g1903.shtml より引用
◎マーガリン(ファットスプレッド)容器
◎ロータリーにスーパー楕円が適する理由
そもそもスーパー楕円の効用を発見して世に広めたのが デンマークの数学者・建築家・詩人であったピート・ハイン氏で きっかけは“スウェーデン・ストックホルムの都市計画の一環として セルゲル広場のロータリー交差点でのクルマのスムーズな流れが求められた設計をすることになり ロータリーの形をスーパー楕円にすることで解決した“ものです カドの無いコーナーはクルマのハンドル操作がキツクないことが影響したようです
◎陸上競技トラックもスーパー楕円にしたら好記録間違いなし
競技場本体をスーパー楕円にしている“熊谷陸上競技場”(埼玉県)
その上空からの写真を見て気づきましたが 競技トラックは従来規定通りの“直線と半円をつなげた”かたちですが ここでも前記のストックホルムのロータリー交差点と同様に トラックをスーパー楕円にしたら“走者は従来より楽にコーナーを曲がれて”好記録が出ることは間違いありません これは高校時代に陸上部でトラックをよく走った私が自信をもって言えます
写真は さいたま市立浦和南高校の太田敏之先生のページから引用
www7b.biglobe.ne.jp/~math-tota/su3/superoval.htm
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一見すると 長方形の四つの角が大きなアールになっているような形なのですが 本当は楕円形の一種であり ただし“楕円を描くための数式の中で《ある数字》を当てはめてできる楕円“のことを示します
一般的な楕円の数式は・・
下の図でaは長軸の半分 bは短軸の半分にあたり a>b>0の場合でべき数が2以上が楕円 べき数の数字が大きくなるほど 長方形に近づく a=bのときは円になる
図は「なかけんの数学ノート」
https://math.nakaken88.com/textbook/basic-ellipse-circle-equation/より引用
このような楕円の中で上記数式内のべき数を“2.5”にした場合にできるのがスーパー楕円です つまり前出の式で2乗となっているのを2.5乗にするカタチです その実際のかたちは・・
これを応用したテーブル ホットプレート 照明器具 土鍋 マーガリン(ファットスプレッド)容器 など 以下の写真に見られるようなものです このスーパー楕円は一般的な楕円よりは柔らかな感じをもつという視覚的効果ばかりでなく 機能的な効用があります
◎テーブル:この形状ではカドらしいカドがないので 同じ縦・横の長さでも 長方形のテーブルよりも多くの人が囲める また直線部分も無いので着席の各人はすべての顔が互いに見えやすい さらに
円形テーブルのように 室内・店内の中でデッドスペースが多く発生することもないので “スーパー楕円テーブル採用のレストランや宴会場などは席数を増やすことができる”
フリッツハンセン社製↑↓
↑カドが無くやわらか感
このテーブルのオリジナルデザインは・・スーパー楕円発見者であるピート・ハイン(後述)と他2名の計3人によるもので 現在は“ジェネリック”モノが多数販売されています 私は過去に2回デンマークに行ったことがありますが さすがにスーパー楕円の発祥地 このカタチのテーブルは いたるところで目にしました
◎ホットプレート:電気や調理器のメーカー各社はスーパー楕円または それに近い形状モノを主流にしている ホットプレートが市場に登場した初期に各社が採用した円形は 家庭で多数派の長方形のテーブル上ではスペースや使い勝手の面で都合悪かったものです
ホットプレート(象印)
◎照明器具:縦断面がスーパー楕円 ピート・ハイン亡き後に親族が持つ“ピート・ハイン”ブランドの製品
◎キャセロール土鍋:これをデザインした井藤隆志氏によれば 「厚生労働省の予測では 2000年以降は一人世帯と二人世帯を合わせると全世帯の5割を超えるそうで これからは少人数用の手ごろな大きさで 火にかけてもテーブルにだしても収まりのよい形状としてスーパー楕円を採用した」とのこと
写真は 井藤氏のpdweb.jp/column/goddesign/g1903.shtml より引用
◎マーガリン(ファットスプレッド)容器
◎ロータリーにスーパー楕円が適する理由
そもそもスーパー楕円の効用を発見して世に広めたのが デンマークの数学者・建築家・詩人であったピート・ハイン氏で きっかけは“スウェーデン・ストックホルムの都市計画の一環として セルゲル広場のロータリー交差点でのクルマのスムーズな流れが求められた設計をすることになり ロータリーの形をスーパー楕円にすることで解決した“ものです カドの無いコーナーはクルマのハンドル操作がキツクないことが影響したようです
◎陸上競技トラックもスーパー楕円にしたら好記録間違いなし
競技場本体をスーパー楕円にしている“熊谷陸上競技場”(埼玉県)
その上空からの写真を見て気づきましたが 競技トラックは従来規定通りの“直線と半円をつなげた”かたちですが ここでも前記のストックホルムのロータリー交差点と同様に トラックをスーパー楕円にしたら“走者は従来より楽にコーナーを曲がれて”好記録が出ることは間違いありません これは高校時代に陸上部でトラックをよく走った私が自信をもって言えます
写真は さいたま市立浦和南高校の太田敏之先生のページから引用
www7b.biglobe.ne.jp/~math-tota/su3/superoval.htm
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