以前に「食」に関する東西のちがいについて2編紹介したことがありますが、今回はその他色々なちがいをランダムに挙げてみました。 まずはよく知られている例から・・
(以下文中『T』印は、文章や写真を「Trip Editor」サイトを参考または引用)
◎ハンバーガーのマクドナルドの略称(愛称)
東=「マック」 / 西=「マクド」
関西では、店で買い物してくれたお客に向けて「まいど(おおきに)」とよく言うことや仕事上で日頃つきあいがある人に会うと挨拶として「まいど」と言うことが多いことや、お尻のことを「おいど」と言うこと、"かまど"のことを「おくど(さん)」と言うことが多いなどで、マクドナルドが「マクド」となるのは自然の流れだろう。
余談ですが、私が大阪勤務時代のこと、東京に住む父親が合いに来てくれた際、顔を合わせた瞬間に私は「まいど!」という言葉が出てしまって気まずい思いをしたことがありました。
◎関東などで「ワイシャツ」と言うが・・
東=「ワイシャツ」 / 西=「カッターシャツ」
◎大学生の学年の呼び方
東=「〇年生(ねんせい)」 / 西=「〇回生(かいせい)」
◎エスカレーターの立ち位置
東=左側 / 西=右側
↓東のエスカレーター状況 『T』
関東より関西のほうが大きい。当然部屋の大きさも同じ6畳間でも関西が見るからに広い。
東=「江戸間」サイズ畳=1760 (5尺8寸) X 880ミリ
西=「京間」サイズ畳=1910 (6尺3寸) X 955ミリ
◎「ばか」や「あほ」と呼ぶ地域の中間では?
これは知る人も多いはずで36年続いているテレビ番組「探偵ナイトスクープ」(朝日放送テレビ制作)で紹介されたもので・・
東 =「ばか」/ 西 =「あほ」/ 中部(愛知県など) =「たわけ」
その他の例・・
◎子供の遊び” 警官と泥棒の捕まえっこ”の呼び名 『T』
「警察」と「泥棒」のグループに分かれて、警察が泥棒を捕まえて牢屋に入れ、泥棒仲間が助け出すという設定の一種「鬼ごっこ」のような遊びの名前が・・
東=「ドロケイ」 / 西=「ケイドロ」 / 東北の一部=「助け鬼」 / その他の地では(泥棒と巡査から)「どろじゅん」、「じゅんどろ」や(盗人と探偵から)「ぬすたん」、「ぬけたん」などある。
◎子供が何かを選ぶ時の「どれにしようかな 神様の言う通り」の後ろに続く言葉 『T』
東西に限らず全国各地で多様にあり、東京の中でも「あのなのな」、「なのなのな」、「鉄砲撃ってバンバンバン 玉手箱 薬箱」などがある。
◎蚊に血を吸われることを・・ 『T』
東=「刺される」 / 西=「噛まれる」 / その他地域で「食われる」とも言う。
◎銭湯での浴槽と洗い場の位置(下記の傾向が強い) 『T』
東=浴室最奥の壁(よく富士山の絵が描かれている)に沿って浴槽。
浴室入ってすぐに洗い場が在る
浴室入ってすぐに洗い場が在る
西=浴槽が浴室の真ん中に在り、その両側に洗い場が在る。
↓関西の銭湯の例
東=のれん上端に、巾が数センチの布で作った輪っかを等間隔で並べて付けたものに、棒を通す形式で、結果として、のれん上端部には棒が所々に見える。
西=のれんの上端全体を輪っか状に作り、その中に棒を通すのでのれん上端部の棒は見えない。
◎線香花火 『T』
現在は国内の花火製造会社が減って中国製が多くなったために、日本の東西の違いが薄れてしまっているがまだ残っている特長は・・
東=多彩な色の着いた紙を棒状に撚ったものの先端に着火して下に向けるも、火の球が落ちないようにして火花を楽しむもの。
西=麦わらの硬い部分を持ち棒として先端に付いている火薬に着火したら斜め上に向けて火花を楽しむ。
多くの単語の発音は概して東では抑揚が無いのにたいして西では抑揚がある。例えば・・
東=「京橋」:(きょう)・(ば)・(し)の3音が同音程
西=「京橋」:(きょう)の音が最も音程が高く、(ば)→(し)と順に低くなる
しかし東西で逆の場合もある。例えば・・
東=「(人名の)「山脇」:(や)の次の(ま)の音程が最も高く、(わ)は(や)と同じ高さに下げ→さらに(き)は低くなる
西=「(人名の)「山脇」:(や)・(ま)・(わ)・(き)の4音が同音程
◎スコップとシャベルの呼び名の違いが東西で逆転?
まず最初に、私が”土を掘る各種器具”の正しい呼び名を知らなかったのでご紹介しておきます。
ショベル(シャベル) = 足を乗せる部分があって、足の力を利用して土などを掘る道具。
スコップ = 足を乗せる部分が無く、手の力だけで土などを主にすくう道具
移植ゴテ = 手だけで土などを掘ったりすくったりする小型の道具
↓スコップとショベル(シャベル) (NHKの「探検ファクトリー」より)
上記のような正しい呼び名があるにもかかわらず、現状は誤認識がある上に、関西と東北では呼び名が逆転しているという混乱状態にある。現状は・・
北日本=スコップとショベル(シャベル)どちらもスコップと言い、移植ゴテをショベル(シャベル)と言う。
↑(NHKの「探検ファクトリー」より)
※東京など関東では” 関西と東北での呼び方の双方が混在してしまっていてメチャクチャな状態”。
◎落語の(元々の)スタイル 『T』
東(江戸)= 舞台の上の座布団に座るだけの姿で落語を語る。
西(上方)= 舞台の上の座布団に座る体の前に「見台」(膝隠し)と呼ばれる台を置き、その上に置かれた拍子木や扇子を適時台面を打ち鳴らしながら落語を語る。
『この東西の違いの原因は、江戸では、特に落語を聞きたい人間からお座敷などに呼ばれて、ただ落語を語れば良いだけであったのに対して、上方では神社などの屋外で演じていたために、通りすがりの人などの注意を引くために語りの間に小道具で音をたてて演出する必要があった』 (『』内は「横浜市文化振興財団」の談)
◎消防紋章 『T』
東西で類似していて、いずれも全体を雪の結晶の印象にして、水管や水柱をアレンジしている点は共通しているが少々の違いを出している。
東=真ん中の部分は太陽を表す。(消防署は地域の太陽のような存在でありたいとして)
◎学校などで履き替える靴類の呼び名
漫画家の中村ゆきひろ氏が2014年8月27日から28日にかけてツイッター(現X)で各地での” 学校などで履き替える靴類の呼び名”を全国から回答(10数時間で集まる)してもらってマップにまとめたものを発表された。(下図)
これによって、大まかに関東と関西で比較すれば・・
関東=うわばき
関西=うわぐつ
・・なのだが日本全国詳細に見れば、単純に東西や都道府県別には分けられないことがわかり、まず関西代表の大阪でさえ、北部はうわばき、南部はうわぐつと称している。
東北と北海道函館近辺や福井県ではズックと言う。
和歌山県と名古屋の一部地域ではバレーシューズと言う。
その他詳細は下記文章を参照ください。
ところが現在、後期高齢者である私がかつて東京で過ごした子供時代では”うわばき”とともに”ズック”という表現は普通に使われていた。ただし当時の“ズック”は”うわばき”でもあったが、屋外で使う運動靴も”ズック”と言っていた。これは団塊世代の人に聞いても同じ認識であることを私は確認しているが、それがいつの時代まで続いたのだろうか? 一説には今や”ズック”という言葉は若い世代は使わなくなっているようだが。
かつて「ズックリン」という洗剤がその商品ラベルに「うわばき、運動靴が まっ白」になるとうたって「ジョンソン株式会社」から発売されて人気があったものの2020年に製造中止となったが、”うわばき”の表現はこの会社の本社が横浜であることから納得できる一方で商品名に”ズック”という言葉を使ったのは、”ズックという表現が東京や横浜など関東?で使われた名残”だったのだろうか。
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日本の東西比較については後日また追加します。
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