前回に続いて、音についてのあれこれです!
◎都会の騒音が少し静かになった
国による”騒音規制法”が1968(昭和43)に発効したことや各自治体の”騒音防止条例”が制定されるなどして、昔に比べれば、今や日本全国の都会の騒音が減少していると思われるが、
東京の渋谷を例にとってみると、昔は、今のスクランブル交差点あたりだったかに”当地点の現在の騒音レベル”を表す電光掲示板が設置されていて、私の記憶では90デシベル(dB)近い数字もあった。
東京の渋谷を例にとってみると、昔は、今のスクランブル交差点あたりだったかに”当地点の現在の騒音レベル”を表す電光掲示板が設置されていて、私の記憶では90デシベル(dB)近い数字もあった。
渋谷の騒音が時代とともに変化したことを表す数字を探してみたら、同じ場所、時期、時間帯での計測結果ではないと思われるものの、次のようなデータが見つかった。
1963(昭和38)年の(ある日の)渋谷の駅前(ハチ公口)の騒音表示は74~82(dB)を示していた。(中日映画社の映像商品サンプルの中で読める)
↓その渋谷の電光掲示板
(↑↓ 運輸省:昭和43年度 交通白書より)
1967(昭和42)年は78dB。
ちなみに同じ期間5年平均は池袋と新宿とも83dB、1967(昭和42)年も池袋と新宿とも79dB。
2009(平成21)年の渋谷ハチ公前73.2dB (「コンタック総合研究所」資料から引用)
2024(令和6)年67dB (「note.com」より引用)
以上から、曖昧ながら渋谷の騒音は約60年間で15dBくらい下がったようだ。
※“dB”の程度がどれほどのものかの参考に前回の例を再掲してみます。
近くの落雷/ま近の飛行機エンジン・・120dB
クラクション(直近)・・・・・・・・・110dB
電車通過時のガード下・・・・・・・・100dB
怒鳴り声/犬の鳴き声(直近)・・・・・・・90dB
走行中の電車内/パチンコ店内・・・・・・80dB
騒々しい事務所内・・・・・・・・・・・70dB
普通の会話/デパート店内・・・・・・・・60dB
図書館内/閑静な住宅地の昼・・・・・・・40dB
深夜の郊外/小さなささやき声・・・・・・30dB
木の葉の触れ合い/雪降り・・・・・・・・20dB
◎都会(の繁華街)が静かになった要因は・・
都会に限らずあらゆる場の音は様々な”音の発生源”から出た音が集合、混合したものだが、都会はその発生源の数が多いことと個々の発生音が大きいものが多いので、騒音という”人が不快に感じる音”が生まれやすい。
近年の騒音減少は”騒音規制法”や”騒音防止条例”によることが明白なものの、特に都会の騒音減少にはその他の要因もあり・・
〇 自動車のエンジン音が減った
エンジン音の少音化が進んだ上に、ハイブリッド車やEV(電気自動車)※が増えたのでエンジン音そのものが減った。
※ただし、EVであっても走行時にはあるレベルの音を出すことが義務付けられている
〇 電車の走行音が減った
その要因は、線路にロングレール採用が進み、しかもレールの継ぎ目を改良 / 線路切り替えポイントの枕木改善 / 車両材料を鉄材からステンレスやアルミに変えて軽量化 / 車両の振動や揺れの吸収装置の改良 / 動力源のモーターの形式変換、など。
〇 道路の舗装方法の改善でタイヤ音(ロードノイズ)が減少
自動車のタイヤ走行音を低減できる”アスファルト道路の舗装方法”が開発され、その一つの”低騒音舗装”は、道路の表層部を小砂利(骨材)とアスファルトで固める際に、小砂利どうしの間に隙間が多くできるようにするもので、通常の道路より路面発生騒音が7dBほど下がる。さらにその上に、もっと細かい砂利をやはり隙間多く固める層を加えた“2層式地騒音舗装”では騒音が通常道路より10dBほども下がるもので、加えてこれらの舗装道路は表面の透水性が良いため、降雨時・降雨直後に水が溜まりにくく、タイヤによる水しぶき音も削減される効果もあり、採用が広がってきた。
↓東京都建設局の説明図 (※低騒音舗装は「7デシベル程度抑制」とあるが他の資料では2~3デシベル抑制とする例が多い)
クラクションを鳴らす行為は民度と関係あるようで、昔の日本もその音をよく聞いたものだが、近年は激減した。しかし現在でも発展途上国では多いので、某国ではクラクション音が多いとペナルティとして信号待ち時間を長くするシステムになっているそうだ。※
それよりも、クラクション音が減った大きな要因は”クラクションが鳴らしにくくなった”こと。
クラクションを鳴らすためにはハンドル(ステアリング・ホイール)と一緒のある部分を押すことは昔も今も変わらないが、
昔の自動車ではちょっと押しただけで鳴り、しかも押せる部分が大きかったから楽に鳴らせた。※
しかし近年の自動車ではクラクションを鳴らすためには強く押さなければならず、しかも押す部分(の面積)が小さいから、相当の意思と力が必要になっているから結果としてクラクション音が減っている。
↓昔のクルマにはハンドルの内側の半円状または円環状の部分(下図矢印)をちょっと押せばクラクションが鳴った

※ちょっと押せば鳴ったから、誤って体や腕が触れただけで鳴ることも多かったが、急ブレーキをかけると(まだシートベルトが無い時代だったので)体が前に倒れてクラクション用の部分を押すカタチになってブーと鳴ってしまうこともあった。
※クラクションの音とは限らないが、ある調査によれば世界各地の中で騒音公害件数が最も少ないのはスイスのチューリッヒ。最も多いのは中国の広州市。
ドイツのある調査機関によると、騒音で難聴になる人の比率が最も低いのはオーストリアのウイーン。最も多いのはインドのデリー。
〇 少子高齢化で街に子供・若者が減った
子供・若者が減れば当然のように大声で話したり騒いだりする声が減り騒音減少の一因ともなる。特に渋谷は昔、若者の街と言われたが、現在は若者の絶対数減少に加えて、街にビジネスオフィスが増えた影響で大人が増えたので騒音減少が加速していると思われる。
◎音があったほうが良いこと・場もある
言うまでもなく、視覚障がいのある人たちにとっては音が頼り。それなのに音が減って困る例としては、電気自動車やハイブリッド車の登場で従来のエンジン音が減った※ことや横断歩道での青信号時の”ピヨピヨ”や”カッコウ”音などが(場所によっては)夜間に停止してしまうことなどがある。
※視覚障がい者に限らず、全ての歩行者の安全のために走行自動車のある程度の音は必要であるから、国連基準や日本のガイドラインに基づいて自動車メーカー各社は「車両接近通報装置」というもので、車両前進時50dB以上、後退時47dB以上の音を出すようにしている。ただし各社の"音質"が異なるので、日本視覚障碍者団体連合からは音質統一の要望が出ている。
ところで、「あったらイイ音」と私が思うのは・・
〇 “エレベーターの中で流される快適で適度な音量の音楽”
静かなエレベーター内に自分以外にも人が乗っている場合に「クー」とお腹が鳴ったら恥ずかしいことになるが、音楽が流れていれば”マスキング効果”でかき消される。 私は実際に音楽が流れるエレベーターに乗った際にこのことに気が付いた。
そして、「あったほうが良い音」は特に視覚障がいの方に向けては勿論、その他にもいろいろあるだろうが、私が個人的に今、思いつく例で恐縮ですが・・
〇 “パチンコ店内で流される音楽”
とにかく音楽が流れないパチンコ店内では調子が出ない。私が昔、パチンコが盛んな名古屋市で実際に経験したのだが、あるパチンコ店では音楽(定番の「軍艦マーチ」、その他現在流行りの歌謡曲など)がいっさい流れないので調子が出なくて困った。その他、北陸のパチンコ店でも同様のことがあった。やはりパチンコ店には音楽が必要! (現在の私はパチンコをしませんが・・)

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