AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんして血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器。
↓AED機器一式の一例 本体寸法:約20X25X10センチ(日本光電工業(株)製品)

2004年に、一般の人でもAEDが使えることになり、普及する中で、これを使って”救命される機会”の男女比は女性が少なくなりがちで、言い換えれば”男女被救命機会均等”ではない状態になっている!
その誘因を表す一件が・・
◎AED使用が”わいせつ”で訴えられるというデマが発生!
AEDを使って”心肺停止した女性”を救命した男性が、その女性の親から「強制わいせつ」(不同意わいせつ)で警察に被害届けが出されたという事例が発生したとして今年2025年1月にネット上で拡散して話題になったものの・・
その後そのような事実は無いという警察からの発表があって、この件はデマであったことが判明。
その後そのような事実は無いという警察からの発表があって、この件はデマであったことが判明。
ただし、これがデマでなく事実だとしても、この男性の行為に違法性は無く無罪であると弁護士は断言している。
しかし、”AEDの女性への使い方の現状が「強制わいせつ」感を生じさせる”可能性は、容易に察せられる。
そうならば特に男性は女性へのAED使用を差し控える事態になってしまうから、結果として”男女心肺蘇生機会均等”ではないことになる。
そうならば特に男性は女性へのAED使用を差し控える事態になってしまうから、結果として”男女心肺蘇生機会均等”ではないことになる。
これに関連した実例としては・・あるマラソン大会で走っていた女性が突然倒れたが、駆け付けた男性係員は、措置対象が女性であることで救命行動を躊躇してしまい、
かわりになる女性係員を呼んでいる間の時間を要したので、
AEDによって一命をとりとめたものの脳機能が損傷したため身体マヒが残ってしまった。
これは措置対象が男性だったら普通の状態に戻っていたはずだった。
かわりになる女性係員を呼んでいる間の時間を要したので、
AEDによって一命をとりとめたものの脳機能が損傷したため身体マヒが残ってしまった。
これは措置対象が男性だったら普通の状態に戻っていたはずだった。
◎AED使用が”わいせつ”感を生じさせる理由
このように特に女性が「わいせつ感」を抱く状況は、AED使用を含む心肺蘇生措置”が実行される中のある部分で発生するが、そのおおまかな実行過程とは・・
倒れた人を見たら ⇒ 119通報とAEDを持ってくるように周囲の人に依頼 ⇒ 胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を交互に行う(人工呼吸は省略可) ⇒ AEDを設定 ⇒ 電気ショック実施 ⇒ 再び胸骨圧迫と人工呼吸行う(救急車が到着するまで)
この一連の「心肺蘇生法」のことを「CPR」とも言う。
※手順の詳細と注意点については・・
https://www.aed.omron.co.jp/aed/procedure.html
その心肺蘇生措置の過程の中で ”AEDを設定” が問題の部分で、
AED本体からのコードにつながった”パッド”を倒れている人の右鎖骨下と左わき腹に張り付けて(下図参照)から電気ショックが行われるのだが・・

AED本体からのコードにつながった”パッド”を倒れている人の右鎖骨下と左わき腹に張り付けて(下図参照)から電気ショックが行われるのだが・・

(↑図は「日本光電工業(株)」のHPから)
この図で分かるようにパッドを急いでしかも的確な位置に貼るには上半身の肌の大部分を露出させる。
そこで”蘇生措置を受ける人が女性”の場合が問題になり、
特に上図での男女が逆ではなおさらのこととなり、これが女性としては「わいせつ感」を生じることとなる。
特に上図での男女が逆ではなおさらのこととなり、これが女性としては「わいせつ感」を生じることとなる。
しかし、蘇生措置を受ける人も行う人も、躊躇している場合ではない理由は・・
◎心肺停止後10分で死亡するが、救急車はそれに間に合わない!
人は心肺停止後・・
10秒後:意識無くなる
1分以内:蘇生措置すれば救命率95%
3分以内:蘇生措置すれば救命率75% / 脳障害発生ほぼ無し
5分以内:蘇生措置しても救命率25%
8分経過:救命可能性は極めて少ない
(別の表現では・・心肺停止後1分ごとに救命率が7~10%ずつ下がる)
しかるに、119番通報してから救急車到着までの平均時間は10分
(別データでは8.6分や10.3分)
(別データでは8.6分や10.3分)
しかも実際は救急隊員が患者への対応を始めるまでの時間を含めると平均13.6分かかる。
このことから救急車到着を待つことなく躊躇せずに蘇生措置を実行しなければ死亡することになる。
◎女性へのAED使用時の配慮
躊躇せずに実行と言ってもやはり女性への配慮ができれば、蘇生措置をされる人(以下便宜上「患者」と表記)も、する人(以下便宜上「措置者」と表記)もやりやすいということで、推奨されているのは・・
〇 患者が女性の場合、措置者は女性に。
〇 患者が女性の場合、その周囲を複数の人に立ってもらい、目隠しとする。
〇 患者が女性の場合、衣服は必ずしも脱がさなくてもよく、
二つのパッドを貼る位置にあたる衣服の部分だけをめくって、またブラジャーはずらすなどして行う。(ただしブラジャーにワイヤーがある場合はパッドから遠ざける)
〇 患者が女性に限らないが、ネックレス(真珠など非金属モノでも留め金などは金属)など装飾は取り去るか、パッドから遠ざけて行う。
これに加えて、私が提案するのは・・
〇 患者が女性の場合、AED使用時のみに患者に不透明シートをかけて実行する。とっさの場にシートは無いだろうから、このシートはAED装置一式の中の一つとして含め、ケースに内蔵させておく。
このシートの目的は、女性患者を外部の視線から守るのは勿論、シート表面には「救命用AED使用中」と目立つように大きな文字を配置して、措置者の行動が怪しまれないようにするため。
〇 タオルも同様にケースに内蔵。これは運動中または夏季などで患者が汗をかいている場合にはタオルで体を拭かないとAEDの電気ショックが失敗するから。
ところで、女性への蘇生措置でもう一つ課題があり、それは・・
◎女性への胸骨圧迫のリスク?
◎女性への胸骨圧迫のリスク?
蘇生措置の中の胸骨圧迫では、患者が成人の場合は胸が5センチ※ほど沈むように、二本かさねた手のひらの根元で、体重をかけながら1分間に100回のペースで30回押す。
このような方法なので、特に骨粗しょう症が多い女性はこの胸骨圧迫で骨折の可能性が大きい。
※患者が1~8才では体厚の1/3が沈む程度に押す / 1才未満には指2本で押す

このような方法なので、特に骨粗しょう症が多い女性はこの胸骨圧迫で骨折の可能性が大きい。
※患者が1~8才では体厚の1/3が沈む程度に押す / 1才未満には指2本で押す

骨粗しょう症は女性のほうが男性よりも2~3割ほど多く、
女性の60才代では5人に1人、70才代では3人に1人が該当するとされる。
先日テレビのドキュメンタリー番組では、90才代の心肺停止女性が胸骨圧迫で蘇生に成功したものの・・
担当医師がその女性の家族に対して「肋骨が多く折れたので、今後の処置を相談したい」と言ったところで映像が終わっていたが、厳しい実情を知った次第。
このように、特に女性への胸骨圧迫処置には骨折のリスクを伴いがちなので、この措置が躊躇されるならば、ここでも”女性の被救命機会”を得るのにも不利となる。
そしてAEDの実際使用上の課題は・・
◎AEDの設置場所に関連した改善が進んでいるが・・
現在、日本全国にAEDは約69万台設置されて普及が進んでいるが、
実際の使用上の問題はいくつかあって、それに対する改善策もでてきていて・・
実際の使用上の問題はいくつかあって、それに対する改善策もでてきていて・・
〇AEDの多くは建物内に在るので、夜間や休館などでは建物入り口が施錠されていて入れずに、AEDが取り出せない
⇒最近、ある自治体では小中学校の体育館入り口付近や運動場などの”屋外にAEDを設置”開始して、
学校関係者のみならず一般人も24時間、取り出して使用可能としたという例も出てきた。
↓我が町の公民館内のAEDは建物が夜間は施錠されるので夜は使えない!
⇒最近は、緊急事態発生場所に近いAED設置場所がスマホに表示されるサイトができている。
しかも日々増える設置場所の追加表示も、このサイト利用者からの情報提供(投稿)で随時アップされる仕組みにしてある。現在35万3千カ所が提示される。
それが ⇒ 「日本全国AEDマップ」 https://aedm.jp/
その他、AED設置場所提示が投稿によらないで作成されているサイトもある。
しかしこの方法も最適な設置場所を探し当てるには、ある程度の時間がかかるもので、
一秒でも早い結果を得るためには今後 ⇒スマホの位置情報から自動的に”も寄りの設置場所”を提示するようになれば良いのだろう。
一秒でも早い結果を得るためには今後 ⇒スマホの位置情報から自動的に”も寄りの設置場所”を提示するようになれば良いのだろう。
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余録1)
胸骨圧迫は1分間に100回のペースが目安ということだが、私がAED操作講習を受けた際には、
童謡「うさぎとかめ」の「もし もし かめ よ かめ さん よ・・」の歌にのせた調子がよいと教えられた。
胸骨圧迫は1分間に100回のペースが目安ということだが、私がAED操作講習を受けた際には、
童謡「うさぎとかめ」の「もし もし かめ よ かめ さん よ・・」の歌にのせた調子がよいと教えられた。
余録2)
心肺蘇生方法は時代とともに進歩して改変されるので注意が必要。
その内容は「日本蘇生協議会(JRC)」によって5年毎に発表される新ガイドライン(現在は2020年発表版)によるもので、例えば・・
〇 人工呼吸は必須ではなくなった。
(2004年に一般人でもAED使う蘇生方法が解禁された2年後の2006年に私が受けた講習では、人工呼吸の実技指導もみっちり行われたが、
近年では必ずしも必要ではないとされ、特にコロナ禍期以降は” 人工呼吸を行わない”とされている。
〇 胸骨圧迫回数は以前の”15回連続で胸を押す”から”30回連続で胸を押す”に変更されている。
〇 胸骨圧迫の強さは以前の”胸が3~5センチ沈む”から”胸が5センチ沈む” に変更。
余録3)
AED普及台数:2022年=約67万6千台 ⇒ 2024年=約69万台
AED使用率=約4%
AED普及台数:2022年=約67万6千台 ⇒ 2024年=約69万台
AED使用率=約4%
余録4)
AEDによって救命された人数または有名人(日本国内)
AEDによって救命された人数または有名人(日本国内)
2005年:12人・・内2人は「愛・地球博」(会期185日/2200万人)の会場内で
2022年:618人(コロナ禍で減少)
2004年~2022年:累計7656人
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