徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2025年03月

    AED(自動体外式除細動器)とは、心臓がけいれんして血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)になった心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器。

    ↓AED機器一式の一例 本体寸法:約20X25X10センチ(日本光電工業(株)製品)
    aed-total
    2004年に、一般の人でもAEDが使えることになり、普及する中で、これを使って”救命される機会”の男女比は女性が少なくなりがちで、言い換えれば”男女被救命機会均等”ではない状態になっている!

    その誘因を表す一件が・・

    ◎AED使用が”わいせつ”で訴えられるというデマが発生!
    AEDを使って”心肺停止した女性”を救命した男性が、その女性の親から「強制わいせつ」(不同意わいせつ)で警察に被害届けが出されたという事例が発生したとして今年2025年1月にネット上で拡散して話題になったものの・・

    その後そのような事実は無いという警察からの発表があって、この件はデマであったことが判明。

    ただし、これがデマでなく事実だとしても、この男性の行為に違法性は無く無罪であると弁護士は断言している。

    しかし、”AEDの女性への使い方の現状が「強制わいせつ」感を生じさせる”可能性は、容易に察せられる。

    そうならば特に男性は女性へのAED使用を差し控える事態になってしまうから、結果として”男女心肺蘇生機会均等”ではないことになる。

    これに関連した実例としては・・あるマラソン大会で走っていた女性が突然倒れたが、駆け付けた男性係員は、措置対象が女性であることで救命行動を躊躇してしまい、

    かわりになる女性係員を呼んでいる間の時間を要したので、

    AEDによって一命をとりとめたものの脳機能が損傷したため身体マヒが残ってしまった。

    これは措置対象が男性だったら普通の状態に戻っていたはずだった。

    ◎AED使用が”わいせつ”感を生じさせる理由
    このように特に女性が「わいせつ感」を抱く状況は、AED使用を含む心肺蘇生措置”が実行される中のある部分で発生するが、そのおおまかな実行過程とは・・

    倒れた人を見たら ⇒ 119通報とAEDを持ってくるように周囲の人に依頼 ⇒ 胸骨圧迫(心臓マッサージ)と人工呼吸を交互に行う(人工呼吸は省略可)  ⇒ AEDを設定 ⇒ 電気ショック実施 ⇒ 再び胸骨圧迫と人工呼吸行う(救急車が到着するまで)

    この一連の「心肺蘇生法」のことを「CPR」とも言う。

    ※手順の詳細と注意点については・・
    https://www.aed.omron.co.jp/aed/procedure.html

    その心肺蘇生措置の過程の中で ”AEDを設定” が問題の部分で、

    AED本体からのコードにつながった”パッド”を倒れている人の右鎖骨下と左わき腹に張り付けて(下図参照)から電気ショックが行われるのだが・・

    AED-PAD
    (図は「日本光電工業(株)」のHPから)

    この図で分かるようにパッドを急いでしかも的確な位置に貼るには上半身の肌の大部分を露出させる。

    そこで”蘇生措置を受ける人が女性”の場合が問題になり、

    特に上図での男女が逆ではなおさらのこととなり、これが女性としては「わいせつ感」を生じることとなる。

    しかし、蘇生措置を受ける人も行う人も、躊躇している場合ではない理由は・・

    ◎心肺停止後10分で死亡するが、救急車はそれに間に合わない!
    人は心肺停止後・・
    10秒後:意識無くなる
    1分以内:蘇生措置すれば救命率95% 
    3分以内:蘇生措置すれば救命率75% / 脳障害発生ほぼ無し
    5分以内:蘇生措置しても救命率25% 
    8分経過:救命可能性は極めて少ない 
    (別の表現では・・心肺停止後1分ごとに救命率が7~10%ずつ下がる)

    しかるに、119番通報してから救急車到着までの平均時間は10分
    (別データでは8.6分や10.3分)

    しかも実際は救急隊員が患者への対応を始めるまでの時間を含めると平均13.6分かかる。

    このことから救急車到着を待つことなく躊躇せずに蘇生措置を実行しなければ死亡することになる。

    ◎女性へのAED使用時の配慮
    躊躇せずに実行と言ってもやはり女性への配慮ができれば、蘇生措置をされる人(以下便宜上「患者」と表記)も、する人(以下便宜上「措置者」と表記)もやりやすいということで、推奨されているのは・・

    〇 患者が女性の場合、措置者は女性に。

    〇 患者が女性の場合、その周囲を複数の人に立ってもらい、目隠しとする。

    〇 患者が女性の場合、衣服は必ずしも脱がさなくてもよく、
    二つのパッドを貼る位置にあたる衣服の部分だけをめくって、またブラジャーはずらすなどして行う。(ただしブラジャーにワイヤーがある場合はパッドから遠ざける)

    〇 患者が女性に限らないが、ネックレス(真珠など非金属モノでも留め金などは金属)など装飾は取り去るか、パッドから遠ざけて行う。

    これに加えて、私が提案するのは・・

    〇 患者が女性の場合、AED使用時のみに患者に不透明シートをかけて実行する。とっさの場にシートは無いだろうから、このシートはAED装置一式の中の一つとして含め、ケースに内蔵させておく。

    このシートの目的は、女性患者を外部の視線から守るのは勿論、シート表面には「救命用AED使用中」と目立つように大きな文字を配置して、措置者の行動が怪しまれないようにするため。

    〇 タオルも同様にケースに内蔵。これは運動中または夏季などで患者が汗をかいている場合にはタオルで体を拭かないとAEDの電気ショックが失敗するから。

    ところで、女性への蘇生措置でもう一つ課題があり、それは・・

    ◎女性への胸骨圧迫のリスク?
    蘇生措置の中の胸骨圧迫では、患者が成人の場合は胸が5センチほど沈むように、二本かさねた手のひらの根元で、体重をかけながら1分間に100回のペースで30回押す。

    このような方法なので、特に骨粗しょう症が多い女性はこの胸骨圧迫で骨折の可能性が大きい。

    ※患者が1~8才では体厚の1/3が沈む程度に押す / 1才未満には指2本で押す
    senior-sosei

    骨粗しょう症は女性のほうが男性よりも2~3割ほど多く、

    女性の60才代では5人に1人、70才代では3人に1人が該当するとされる。

    先日テレビのドキュメンタリー番組では、90才代の心肺停止女性が胸骨圧迫で蘇生に成功したものの・・

    担当医師がその女性の家族に対して「肋骨が多く折れたので、今後の処置を相談したい」と言ったところで映像が終わっていたが、厳しい実情を知った次第。

    このように、特に女性への胸骨圧迫処置には骨折のリスクを伴いがちなので、この措置が躊躇されるならば、ここでも”女性の被救命機会”を得るのにも不利となる。
    ・・・・・・・・・・・・
    そしてAEDの実際使用上の課題は・・

    ◎AEDの設置場所に関連した改善が進んでいるが・・
    現在、日本全国にAEDは約69万台設置されて普及が進んでいるが、

    実際の使用上の問題はいくつかあって、それに対する改善策もでてきていて・・

    〇AEDの多くは建物内に在るので、夜間や休館などでは建物入り口が施錠されていて入れずに、AEDが取り出せない

    ⇒最近、ある自治体では小中学校の体育館入り口付近や運動場などの”屋外にAEDを設置”開始して、

    学校関係者のみならず一般人も24時間、取り出して使用可能としたという例も出てきた。

    我が町の公民館内のAEDは建物が夜間は施錠されるので夜は使えない!
    aed

    〇 AEDが必要な事態になって、いざその場から最も近い設置場所を探そうにも、見つけるのが困難。

    ⇒最近は、緊急事態発生場所に近いAED設置場所がスマホに表示されるサイトができている。

    しかも日々増える設置場所の追加表示も、このサイト利用者からの情報提供(投稿)で随時アップされる仕組みにしてある。現在35万3千カ所が提示される。

    それが 
    ⇒ 「日本全国AEDマップ」 https://aedm.jp/

    その他、AED設置場所提示が投稿によらないで作成されているサイトもある。

    しかしこの方法も最適な設置場所を探し当てるには、ある程度の時間がかかるもので、

    一秒でも早い結果を得るためには今後 ⇒スマホの位置情報から自動的に”も寄りの設置場所”を提示するようになれば良いのだろう。

    ・・・・・・・・・・・・
    余録1)
    胸骨圧迫は1分間に100回のペースが目安ということだが、私がAED操作講習を受けた際には、

    童謡「うさぎとかめ」の「もし もし かめ よ かめ さん よ・・」の歌にのせた調子がよいと教えられた。

    余録2)
    心肺蘇生方法は時代とともに進歩
    して改変されるので注意が必要。

    その内容は「日本蘇生協議会(JRC)」によって5年毎に発表される新ガイドライン(現在は2020年発表版)によるもので、例えば・・

    〇 人工呼吸は必須ではなくなった。

    (2004年に一般人でもAED使う蘇生方法が解禁された2年後の2006年に私が受けた講習では、人工呼吸の実技指導もみっちり行われたが、

    近年では必ずしも必要ではないとされ、特にコロナ禍期以降は” 人工呼吸を行わない”とされている。

    〇 胸骨圧迫回数は以前の”15回連続で胸を押す”から”30回連続で胸を押す”に変更されている。

    〇 胸骨圧迫の強さは以前の”胸が3~5センチ沈む”から”胸が5センチ沈む” に変更。

    余録3) 
    AED普及台数:2022年=約67万6千台 ⇒ 2024年=約69万台 
    AED使用率=約4%

    余録4) 
    AEDによって救命された人数または有名人(日本国内)

    2005年:12人・・内2人は「愛・地球博」(会期185日/2200万人)の会場内で

    2009年の「東京マラソン」で・・
    松村邦洋(救命体制が良かった:AEDは1km毎に配置、専門スタッフ多数)
    matumura2
    2019年:703人

    2022年:618人(コロナ禍で減少)

    2004年~2022年:累計7656人
    ・・・・・・・・・・・・

    3月8日の「国際女性デー」は”女性の地位向上とジェンダー平等を推進するために”国連で1975年に制定されてから今年が50周年とのこと。(関係ないですがこのブログ発信が200回目にあたります)
    womens-day

    ところが日本では、教育を受ける機会、働く機会などにおいてまだまだ男性優位なことが多く、その点においては後進国状態。

    これについては、男女共同参画社会基本法や男女雇用機会均等法の施行、そして今国会には「女性管理職比率の公表義務化」(従業員101人以上の企業対象)の法改正案を提出予定など、状況改善に向けて進められている。

    しかし、このような方策の結果で”男女間の均等な機会”が生まれたとしても、人間の男女の生理的・肉体的相違だけは厳然として存在するので、これを解消してこそ本当の”機会均等”言い換えれば”男女が同じ土俵に上がれる”状態となる。

    実際の例としては適当とは言えないでしょうが・・つい最近のテレビのルポでは”ロシアでも女性が男性と同様に兵士になる者がいるが、彼女らは「経血が多くて軍服のズボンに浸み出すことがあり、それが乾いて布が硬くなって股が擦れて痛いのだが戦場ではそれに対処できるものではないので、どうしても動きにくくなる」という苦境を訴える姿”を伝えている。

    このような女性の状況を打開するために女性の心身の課題をテクノロジーで解決する商品やサービスの提供は大きなマーケットになると気付いたドイツの起業家のイダ・ティン氏(何だか「韋駄天」を連想するが、デンマーク出身の女性)が2016年に提唱したのが・・

    ◎「フェムテック」
    「フェムテック」はFemale(女性)とTechnology(テクノロジー)の合成語

    具体的には月経関連、妊娠関連、更年期障害関連、美容関連、働きやすさ・活動しやすさの支援サービスやグッズなど。

    日本におけるフェムテックという言葉の普及には、「健康博覧会」というイベントの場で使われ始めたことが大きく影響しているように思われる。
    signboard

    それはこの「健康博覧会」が老若男女を問わず広く健康や美容に関連する企業を集めて展示・訴求の場として毎年開催されて今年43回目となった伝統ある存在で、主催:インフォーマ・マーケッツジャパン/後援:日本貿易振興機構=JETRO。参加企業:国内外500社、来場者(3日間)4万人という規模。

    その「健康博覧会」において「フェムテック」の呼称が使われ始めてから7~8年にも及ぶからだ。
    こうして、最近では多くのマスコミにも出現するようになった。
    health-welnes-show
    ↑↓「健康博覧会」開催の様子
    health-wellness2

    また「フェム○○」という言葉も増えて・・

    昨2024年10月には「フェム プラス 2024」という、女性のケアのための製品・サービスの展示会が開催されて、国内外141社、298商品が出品された。
    fem-plus1

    fem-plus2

    出展商品の一例は、”出産直前時に必要とされる いきみ逃し(いきまないようにサポートする)”グッズ「まさポ」 (タニティ・さポートからネーミング)(株式会社Spica)
    masapo

    従来はテニスボールやゴルフボールを妊婦のお尻に当てて押していたが不衛生な上に形状も最適とは言えなかったので、藤田医科大学の看護チームと共同開発したもの。
    ↓使用状態:自身で/パートナーまたは看護師の手を借りて (Spica社のHPより)
    masapo-htu
    ↑使用法詳細は・・ https://masapo.jp/

    その他、”生理前の「精神的疲労感」、「眠気」、「晴れない気持ち」を緩和する効果”がある”CP2305ガゼリ菌配合“の機能性表示食品「わたしプロローグ」(アサヒグループ食品株式会社・カルピス通販) この機能のサプリとしては日本初とのこと。
    watasi-prologue

    ◎話題の書「産む気もないのに生理かよ」にはフェムテックを!
    昨2024年12月に初版発売した本「産む気もないのに生理かよ」(飛鳥新社 1760円)の著者である月岡ツキ氏は既婚の31才で子供無し。
    umukimonai

    氏は著書の中で“自分の意志によって子供を産まない理由”を40条もあげ、その中には「そもそも他人の人生をかってにはじめていいのか?」・・というものもあるそうで、こういう考えの人も認める多様性社会とすれば、子供を産まないと決意した人向けの”フェムテックも考えられるのでは?

    さて、このように男女の生理的・肉体的相違の解消に向けて特に女性のためのフェムテックが盛んに現れてきたら、男性にも同様な方策が与えられる”機会均等”も必要ということで、最近出現が増えた言葉が・・

    ◎「オムテック」あるいは「メンテック」
    「フェムテック」に対しての「オムテック」という呼称は、フランス語で女性は「femme(ファム)」、男性は「homme(オム)」というところから出てきたものでしょう。(英語では女性=Female、男性= maleだから)

    そこで「オムテック」が使われ始めて一般化するかと思われたが、どうもそうはならないようで・・

    実は従来から(株)「オムテック」という名称の会社が多数(多様な業種において)存在することやアンファー株式会社から”妊活を女性だけのものにしないウエルネスブランド”の「オムテック」という商品が発売されているなど、「オムテック」が一般名称ではないことになっている一方で、

    一般社団法人「日本オムテック協会」が”男性の「かっこいい」を追求する”をスローガンにしている。

    このような呼称の混乱状況を避けるためか、使われ出したのが「メンテック」で、伝統ある「健康博覧会」でも「フェムテック&メンテック」という表現をしている。

    f-m-tech

    なんとも”「フェム⇔オム」というバランスがとれた呼称”が崩れる状態はすっきりしないが・・

    とにかく男性にも更年期障害、妊活、育児休業、父子手帳、などへの対処が必要となるが、この分野はまだ発展途上にある。

    以上、男女の生理的、肉体的相違解消のための方策である「フェムテック」と「メンテック」をとりあげて、家庭や社会の中での男女の行動の機会均等の実現に向かっている様子を述べましたが・・

    最近、男女の行動の機会均等に関して問題になっているある件については、次回に・・
    ・・・・・・・・・・・・

    前回、大河ドラマ「べらぼう」テーマ曲で使われている楽器ツィンバロンをとりあげました。
    tuinbaron1

    (前回内容= https://lddesigneruk.livedoor.blog/archives/26986805.html )
    さらに世界にはこれとよく似た楽器があるもので・・

    ◎ツィンバロンの仲間か?ポータブル・ツィンバロン?
    米国映画「昼下がりの情事」(Love in the Afternoon)は主演:ゲーリー・クーパーとオードリー・ヘプバーン、監督:ビリー・ワイルダーで1957年に製作・公開。

    love-aftnn

    実は私、この映画を数年前にテレビで初めて観た、と言っても全編じっくり観ていないのだが、とにかく気になったのが、この映画の中で頻繁に流れる主題曲「魅惑のワルツ」(Fascination)。

    この曲自体は、もう60年ほど前にはラジオやレコードで聴いて知っていたのですが、実際の映画の中で流れる曲(サウンドトラック曲)には、なんとツィンバロンの音が入っているではないか!

    ↓映画部分と「魅惑のワルツ」の音楽(3分弱)(後半にツィンバロン演奏シーンあり)

    https://www.google.com/search?sa=N&sca_esv=71db54fb86614d0a&rlz=1C1CHBH_jaJP748JP748&udm=7&q=%E6%98%BC%E4%B8%8B%E3%82%8A%E3%81%AE%E6%83%85%E4%BA%8B&ved=2ahUKEwj8pqOXh8iLAxVylK8BHUgDN38Q8ccDegQINxAD&biw=1366&bih=555&dpr=1#fpstate=ive&ip=1&vld=cid:1f2b5ed1,vid:LmSWw6wor3I,st:0


    よく見ると4人組の楽士(後に調べたらこの人たちはロマ=ほぼ昔で言うジプシー)が色々なシーンに頻繫に登場して演奏していて・・

    バイオリン、ビオラ(またはバイオリン?)、アコーデオンに加わっているのが”小型のツィンバロンと思われる楽器”(以下この項の文中:ツィンバロン)で、これには独自の名前があるのか分かりませんが、その奏者はそれを紐で首から吊って本体を保持しながらバチを叩いている。
    roma-dance

    大編成のオーケストラで使われるモノと比べると音域は少し狭いのでしょうが、音色は変わらないように聞こえる。

    ↓映画の中の4人の演奏シーン
    roma-near

    ↓いたる所で演奏され、それゆえにこの映画全体でツィンバロンの特異な音が印象に残る。
    roma-boat

    ↓そして4人の演奏シーンで終わるということは、この映画における音楽(テーマ曲)がいかに重要視されているかを示すもの。
    roma-ending

    ◎ツィンバロンの仲間?中国の楽器:揚琴(ヤンチン)
    今から35年ほど前、私が単身赴任で再び大阪勤務だったある日のこと、毎日の通勤途中に一部歩いて通る京橋駅前の広場で、ツィンバロンのような音のメロディが聞こえてきた.ので、

    近寄ってみたら一人の40才代くらいの中国人(中国語が書かれた説明板のようなものが置いてあるのでそれと分かった)男性が座って両手でバチを持って弦を叩いて演奏しているではないか! (曲目は日本の流行歌だったと記憶している)

    当時の私はツィンバロンの現物は勿論、写真さえも見たことがなかったが直感的にこれは小型のツィンバロンではないかと思い、懐かしさを感じながらしばし聴き入ってしまった。

    しかし今になって調べてみたら、それは中国伝統楽器「揚琴(ヤンチン)」だったようだが、私が見たのは下の参考動画で登場する揚琴(ヤンチン)よりさらに小ぶりだったように思うので、ひょっとすると異なる類似楽器だったかもしれない。

    ↓揚琴(ヤンチン):(東京藝術大学小泉文夫記念資料室HPより)
    yantin
    ◎ツィンバロンやヤンチンの元祖はサントゥール
    ツィンバロンなどの打弦(バチで弦を叩いて音を出す)楽器の元祖はペルシャ、今のイランあたりの「サントゥール」。

    サントゥールが、西方へ伝わり、
    ハンガリーでは「ツィンバロン」に、
    ドイツでは「ハックブレット」になり、
    ヨーロッパ経由で北米では「ハンマーダルシマー」に。

    東方に伝わって17世紀ころの中国で「ヤンチン」に、
    東南アジアでは名前そのまま「サントゥール」に、(タイでは「キム」に)
    18世紀には朝鮮で「ヤングム」になり、それぞれの地で独自の形に発展してきた。
    なお、17世紀の沖縄で「ヤウキン(夜雨琴)」となったが、普及しなかったそうだ。

    サントゥールとその演奏(東京藝術大学小泉文夫記念資料室HPより)

    サントゥールから東西へ伝播した図
    ・・・・・・・・・・・・
    余録(1)
    魅惑のワルツは1904年にパリのカフェのオーケストラ用に作曲されたものが後にシャンソンとして人気を得ていたが、1957年の映画「昼下がりの情事」の中で使われてリバイバルヒットしたとのこと。

    魅惑のワルツは魅惑的メロディゆえに、映画から独立した曲として多くのミュージシャンが演奏したり歌っていて、ただしそれらにはツィンバロンは遣われていないが、パーシーフェース楽団、ナットキングコール、美空ひばり、小野リサなどのものがあるが・・

    私が最も気に入っているのはフランク・チャックスフィールド楽団の演奏
    ・・・・・・・・・・・・
    余録(2)
    ツィンバロンの弦は音階通り順番には並んでいないので、一応の演奏ができるには1年はかかるそう
    で、それゆえにツィンバロン奏者が少ないから、前回紹介しましたように”曲中でのツィンバロン担当パートをマリンバ(木琴)で代替する例”が生まれるのでしょう。

    “音階通り順番には並んでいない”といえば・・
    タンゴ演奏に使われる(アコーデオンに似た)「バンドネオン」は(ピアノなら鍵盤にあたる)押しボタン。

    bandneon
    (↑画像は「EYS MUSIC SCHOOL」のHPより)

    中南米音楽に使われる「スチールドラム」の叩く場所。
    steel-drums
    (↑画像は「楽天市場」より)

    ・・・・・・・・・・・・

    このページのトップヘ