徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2025年02月

    先日テレビで紹介されたある楽器。それは音楽関係の方なら珍しくもないのでしょうが私としては実に数十年ぶりに聞く名前だった。・・それが・・

    ◎「ツィンバロン」!
    現在NHKテレビで放送中の「大河ドラマ『べらぼう』のタイトル画面が現れると同時に流れるオープニングテーマ曲の初めの10秒間くらいによく聞こえるのが「ツィンバロン」という楽器の音です。」・・と、同じNHKの別番組「ひるまえ ほっと」の中で紹介された。

    →タイトルと同時にツィンバロンの音から始まる曲:
    https://www.youtube.com/watch?v=CQkMDSWltOI

    tuinbaron3

    「ツィンバロンはハンガリーの民族楽器で135本の弦を2本のバチで叩いて音楽を奏でる”打弦楽器”。ということは音を出す基本のカタチはピアノと同じで、ただピアノは鍵盤を介して弦を叩くところが違う。

    ツィンバロンの形状とバチ(先端は綿がきつく巻いてある)と演奏の様子がわかるのが下の画像↓(NHKテレビ「ひるまえ ほっと」より)
    tuinbaron1

    ◎「ハーリ・ヤーノシュ」という曲で知ったツィンバロン
    今から60年ほど前、1965年頃だったかに私が購入した(オープンリール・テープレコダー用)ミュージックテープが「ハーリ・ヤーノシュ」(イストバン・ケルテス指揮、ロンドンシンフォニックオーケストラ)だった。

    そのテープは残っているが私にはテープレコーダーがもう無いので聴くことができない!
    kodaly

    この曲はハンガリーの作曲家コダーイ・ゾルターン(1882~1967)作の組曲で、曲中に祖国の民族楽器であるツィンバロンを登場させていて、しかもその打音を大きく響かせるパートがあるので、その特有な(ちょっとだけ日本の琴に似た)音は私の耳に焼き付いた?のだった。

    先にご紹介した「べらぼう」冒頭に流れるツィンバロンの音は控えめなので聴き取りにくかった方には、この「ハーリ・ヤーノシュ」(Juraj Valčuha指揮、フランクフルト放送交響楽団)をどうぞ・・曲中、ツィンバロン演奏の音がよく聞こえる部分が何カ所かありますが、中でも開始20分25秒から30秒間くらいがよく分かります。→ https://www.youtube.com/watch?v=ym2QvHQNyPU

    ↓フランクフルト放送交響楽団演奏中のツィンバロン奏者
    twinbaron-orche

    ↓その奏者がバチで叩いているツィンバロン
    twinbaron-orche2

    ※You Tubeで他のオーケストラの演奏もいくつかみられ、中にはツィンバロンの代わりにマリンバ(木琴)を使っている例があり、私も聴いてみたがやはりその音ではこのハーリ・ヤーノシュには馴染まないと感じざるを得なかった。

    《余録1》「べらぼう」でのツィンバロン奏者:斎藤浩 氏
    このドラマのテーマ曲でのツィンバロン奏者の斎藤浩 氏は、大阪音楽大学作曲学科卒業後、ハンガリーのリスト音楽院で学び主席で卒業し、その後にアジア人で初の「ツィンバロン・ソリストディプロマ」の資格を授与されている。

    saito-hirosi
    (↑NHKテレビ「ひるまえ ほっと」より)

    テーマ曲の作曲者であるジョン・グラム氏は「このドラマはグローバルな視点からも見られるべきだと考えて、東洋的でも西洋的でもない曲作りにハンガリーのツィンバロンを採用した」と述べている。

    蛇足ながら、35年ほど前のこと、私の職場に大阪音楽大学卒の女性社員(つまり斎藤浩氏の先輩)がいて、何かの会話の中で彼女の口から” ツィンバロン”という言葉が出てきたので、

    私の中では久しく忘れていた楽器の名が懐かしいと思うと同時に、さすが音大卒!しかしそれは音楽関係者の中では常識なんだろうなとも思ったことであった。

    《余録2》「コダーイ・ゾルターン」か「ゾルタ(ー)ン・コダーイ」なのか?
    組曲「ハーリ・ヤーノシュ」の作曲者の名前は、昔は「ゾルタン・コダーイ」と表記されていて、私もそう覚えていたところが、現在では「コダーイ・ゾルターン」となっているので、なぜかと思って調べたら・・

    「コダーイ」は姓であり、「ゾルターン」は名であり、ハンガリー語圏では日本語と同じ”姓・名”の順の表記となり、インド・ヨーロッパ語圏の表記では”名・姓”となる。

    つまり昔は英語圏式の読みだったが、近年では”表記は現地での読み方・呼び方を採用する”という流れになり、これに沿って変わったものだろう。

    ちなみに、我々日本人を含むアジア系やアフリカ系人種のお尻などに出現する青い色の「蒙古斑」がハンガリー人にも少なからず出現することもよく知られている。

    《余録3》「ハーリ・ヤーノシュ」は聴いて楽しい
    「ハーリ・ヤーノシュ」という組曲は気軽に楽しめるもので、主人公である夢想家でホラ吹きの老兵ハーリ・ヤーノシュが居酒屋で語る話の内容を器楽で表現したもので・・

    まず一発クシャミをしてから始まる話は、ウイーンの音楽時計からは小さな兵隊が出てきたり、恋人のこと、はては敗北したナポレオンがハーリに助けを求めた・・などというもの。

    《余録4》音楽とナポレオンと言えば・・
    ハーリ・ヤーノシュの曲中にナポレオンをあつかった部分があったとは知らなかったのですが、音楽とナポレオンの関係と言えば、有名なのが、ベートーベンの交響曲第3番「英雄」とチャイコフスキーの序曲「1812年」。

    ベートーベンは当初ナポレオン・ボナパルトを賞賛していて、彼を讃えた交響曲の作曲にとりかかって、その曲名にボナパルトの名を冠していたが、やがて皇帝を名乗り独裁者となったことに激怒して、曲名を単なる「英雄」にしたという。

    チャイコフスキーは楽譜出版社と友人から小曲を依頼されたが、気乗りしないまま1880年に作曲したのが序曲「1812年」(演奏時間17分弱)。この1812年はナポレオンがロシアに遠征して冬将軍にもあって敗退した年。曲の最後には大砲の音を入れることが楽譜上で指定されているが、ライブ演奏では無理なもののレコードやCDなどでは実際の大砲の音をミキシングして入れているものがある。
    ・・・・・・・・・・・・

    前回に続き、ベンチについてですが、まずはちょっとした私の体験から・・

    ◎選挙違反でベンチにて過ごす人?
    今からもう半世紀前、私が大阪勤務時代のある休日の午前中のこと、

    友人との待ち合わせのため公園でぶらぶらしていたら、

    ベンチに一人じっと座っていた人が突然私に向かって

    「あんたも逃げとんでっか? 私も選挙違反に関わっとんで家におるとマズイっちゅうわけでここにおるんですワ」

    ・・と私を同類にしたいような言葉をかけてきたので、”世の中、こんな人もいるのだ!”と知ったのでしたが、

    そんなことで逃げきれたのか、その後どうなったのだろうか? それは丁度 市議選直後の出来事だった。


    さて、ベンチも色々ある中で、ちょっと気になるベンチは・・

    ◎エコマテリアルベンチ

    ○廃木材の粉と回収汚泥を有効利用したベンチ
    木材の廃材を粉末化したものとプラスチックを混合して作られた(いわゆる)「ウッドプラスチック」の板を座面に使い、下水汚泥などを処理して小石のようにしたもの(スラグ)を混ぜたコンクリートで作った支柱台のエコマテリアルベンチ。(下図はその一例:「モリマーキンキ(株)」製)
    pla-wood-bench1

    ○交通系カードを回収してベンチに利用!
    かつてプラスチック製の交通カード類が大量に使われた時期に、それを回収したものを溶融して細巾の板状にして座面や背もたれに使ったベンチがある。(下画像)

    ↓京王電鉄駅ホーム設置のリサイクルベンチ(東京)
    DSCN0538

    ↓「使用済みカードをリサイクルした」という説明プレートが。
    DSCN0540

    現在では交通カードやキップは極端に減少しているでしょうが、プラスチック製のカードはまだまだ多様な分野で使われているので、それらをまとめて集めればエコ素材として成立するのでは?

    ちなみにテレフォンカードもまだ需要があるから、我が家に近い”買取店”では50度数カードを390円で買い取っている。

    ↓これも役に立つか?私の手許に在る使用済みテレフォンカードと交通系カード。計約210枚・370グラム (ほとんどが拾い集めたもの)
    cards

    ◎自ら光るベンチ
    夜の歩道や庭、遊園地、ビアガーデン、あるいは暗い室内で自ら光るベンチ(またはチェア)が出現し販売もされている。

    本体素材※は半透明で内部のLEDによって全体がぼんやりと光る。
    ※使用素材はポリカーボネート、ポリエチレン、コーリアン(ナイロン開発で有名なデュポン社のアクリル系の人工大理石で世界中で長年多用されている)など。

    多くが防水仕様で可搬型で移動でき、連結できるタイプもある。

    光る色は白が多いが、多様な色に光るものもあり、中にはスマホで色の切り替え操作ができるタイプもある。

    ↓基本形が菱形の組み合わせ/光は16色選択可能/材質:ポリエチレン(「VEROMAN HOME」社)
    veroman1
    veroman2

    ↓本体にはアクリル系樹脂「コーリアン」使用/高さ44センチ(エービーシー商会の商品「ルコリエ」)
    lucorie1

    ↓昼間の見え方と座った状態
    lucorie2

    ↓レギュラー型および組み合わせ可能型の「ライトベンチ」 (泉陽興業(株))
    senyokogyo1

    ↓組み合わせて”逆S字型”に設置した例
    senyokogyo2

    ・・・・・・・・・・・・・

    これらの素材や製品から、さらなる使い途が見つかるでしょう
    ・・・・・・・・・・・・・

    前回、雪で作られたお釈迦様がベンチに横たわる例を紹介しましたつながりで、今回はベンチについて・・

    昔は下図のようなベンチ※が一般的だった。
    kouen-tejinasi
    ※↑ 
    座っているのは歌手フランク永井(故人)。氏自身が最も好きだった曲「公園の手品師」(作詞:宮川哲夫/作曲:吉田正)のレコードのジャケットに使われている写真で、発売された1958(昭和33)年頃のベンチだろう。

    ところで「ユニバーサルデザイン」、「インクルーシブデザイン」、「フォーオール(For All)」などと表現され”モノやコトは子供から高齢者まで、健常者も障がい者も、いかなる立場の人も、誰もが参加しやすく、使いやすいものであるべき”という考え方が提唱されて久しいが、

    ベンチは元来、ユニバーサル的だった。しかし近年“反ユニバーサルデザイン現象”が出現していて・・

    ◎横臥防止意図的ベンチ
    近頃、公園などのベンチに”座面の中間に仕切りを設けた形態”にしたものが多くなった。

    ↓仕切りのあるベンチ:横浜市・開港広場公園
    (「HAMAブロ」より)
    bench-yhm1

    最たる目的は、ホームレスの人が横になって寝るのを防止するため。

    この目的で、かまぼこ型で平らな座面が無いベンチも出現。

    ↓平面の無いベンチ:東京都新宿区
    (「FNNプライムオンライン」より)
    refuse-bench1

    そこでこれらのベンチは「排除ベンチ」や「意地悪ベンチ」と呼ばれるようになった。

    ◎批判続出 !
    昨2024年3月にある人がSNS上で(前記の)「平面の無いベンチ」の写真とともにその存在に疑問を呈したところ、大きな反響があり、ベンチを設置した行政の姿勢を批判する声が多く寄せられた。例えば・・

    《横になって寝させねえという意思ばかりが突出している「排除デザイン」ですね。行政の仕事ってこうやって排除することじゃなくて、そんなところで横になって寝なきゃなんない人をなくすこことなんじゃないでしょうか》

    《役人の考えるホームレス対策 ホームレスを見えない所へ追い払う 見えなくする事が対策なのか、違うだろ》

    《これじゃベンチそのものが必要ないだろう。一般のお年寄りや小さな子供も座れないだろうから》

    《結局誰にも快適じゃないものになってますなー。ソフトなディストピア(ユートピアの反対)》

    ( 上記《 》内は「Smart FLASH」の記事から引用 )

    ◎「排除ベンチ」による悲劇発生!
    2020年、東京・渋谷区のバス停のベンチに居たホームレスの高齢女性が頭を殴られて殺害された事件があったが、そのベンチが仕切りの在る排除ベンチだったためにその女性は横になれずに座ったままで寝ていたそうだ。

    ◎ついに「排除ベンチ」を排除した平塚市
    神奈川県平塚市では昨2024年に、それまで約20年間存在した”排除ベンチ”をやめて普通のベンチに戻した。

    この市を動かしたのは市会議員の江口友子氏で、もともと市議になる以前からホームレスの人への支援に取り組んでいて、排除ベンチの存在は”意地悪である”と感じていたので、”ベンチはあらゆる人が利用できてコミュニケーションが生まれる場であるはず”として排除ベンチの廃止を市に訴え続けた結果、実現した。

    ↓”排除ベンチ”ではなくなったベンチと江口氏 
    (撮影:岡田玄 氏)
    bench-hiratk

    横臥防止目的だけではなく、他人に迷惑かける行為の防止を意図したベンチもある。

    ◎長居防止ベンチ
    真ん中の仕切りに加えて、杭を立てて座りにくくするまでもしたベンチ。その目的は、夜間にベンチに座って (飲酒人間は特に)仲間どうしで話す大声が近隣住民から安眠妨害であるとの苦情が絶えないということで、寝るどころか長居ができないような座面にしたもの。
    ただしこのベンチの有様があまりにもみっともないので、別の方法を考慮中とのこと。

    ↓座りにくく長居できぬベンチ:東京都新宿区
    (「FNNプライムオンライン」より)
    refuse-bench2

    ◎必要な"排除ベンチ"もある
    仕切りを設けたベンチなので、ベンチで寝る人排除になると同時に、座れる人数を指定するベンチであり、” 2人掛けあるいは3人以上掛け向けのベンチに一人で座るものの他人が座るスペースが無い状態にするような迷惑な人”を作らないし、排除する目的もあるベンチ。

    ↓千葉県・市原市の某ショッピングセンターの屋外ベンチ
    haijyo-bench4


    電車内のベンチシートにおいても”けしからぬ行為防止”のために座る位置を限定(指定)するカタチが増えて、仕切りの金属パイプ支柱を一部に設置する他に仕切りをせずに、座面の窪みを指定人数分施すタイプがある。画像は「東洋経済オンライン」より)
    bench-seat

    同様目的で駅ホームなどのベンチにも、仕切り無しで窪みの在る座面を指定人数分施すタイプが多い。
    (画像は「カグロー」社HPより)
    station-h-bench

    ◎”座ることを拒否する椅子”という岡本太郎の作品があったが・・
    岡本太郎(絵画・造形作家:1911~1996)の作(信楽焼:1963年)
    refuse-chair

    (「銀座 おいだ美術」のHPより)

    氏はこの作品の意図を次のように述べた。

    「いわゆるモダン・ファ二チュアの、いかにも坐ってちょうだい、とシナをつくっている不潔さに腹が立つ。
    お尻のひな型であるような、身体がすーっとおさまって沈んでしまい、
    そのまま前途を放棄したくなるようなのは、お年寄りか病人用に限ったほうがいい。
    なにも一日じゅう座りこむわけではない。
    活動的な歩みのなかで、一時腰をおろすだけのもの。
    つまり人生の戦いの武器である。
    生活のなかに生命感のあふれる遊びがない。それが現代の空虚さだ。
    私は素朴な合理主義や機能主義をのり超えて、いちだんと激しい生活感、
    イマジネーションをうち出したかったのだ。
    そこで、椅子でありながら、精神的にも、肉体的にも、 人間と「対等づら」する、こいつらを作った。
    生活の中の創造的な笑いである。」
    (岡本太郎著『原色の呪文』より)

    この椅子はアート作品だから、これを見たり、座ってみたりした人の全てではなくとも一部の人が刺激を受けて共感あるいは反感などの感情が生まれれば、それで存在価値があるが・・

    公共の場のベンチはそうはいかず、機能的にも視覚的にも万人を受け入れるユニバーサルデザインでなければならない。
    ・・・・・・・・・・・・・

    このページのトップヘ