徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2024年09月

    ブラジル生まれのピアニスト、作曲家、編曲家、バンドマスターであったセルジオ・メンデス氏が先日(2024年9月5日)、83才で米国ロスアンジェルスで亡くなった。
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    写真は「Yahooニュース」より引用

    ◎セルジオ・メンデスのマシュケナダ
    私が最初に氏の音楽を聴いたのは1966(昭和41)年のことだったか、丁度その頃に氏が率いるグループ「セルジオ・メンデスとブラジル66」が「マシュ・ケ・ナダ」(ジョルジュ・ベン作曲のボサノヴァ曲)をカバーして世界的にヒットしていたから。

    マシュ・ケ・ナダ =  https://www.youtube.com/watch?v=wiqDOPCX_pA

    もともと私は10代後半からラテン系音楽が好きで、ペレス・プラード、ザビア・クガート、パーシー・フェースなどのマンボ、ルンバ、サンバ。メキシコ系のマリアッチなど賑やかな演奏をよく聴いていた。(賑やかではなかったトリオ・ロス・パンチョスも聴いたが)

    ◎私の人生最初購入のミュージックテープ
    1960年代後半になると、静かに語り掛けるような調子のボサノヴァ曲の「デサフィナード」や「イパネマの娘※」などが日本でも聴けるようになって、これはこれで良い感じだったが・・

    イパネマの娘 =  https://www.youtube.com/watch?v=a8wcZUUXJFs

    そこに登場した「セルジオ・メンデスとブラジル66」の「マシュ・ケ・ナダ」はボサノヴァ曲をアップテンポで賑やかにアレンジして、これぞ私の好み!ということで、これを収めた”レコードではなくカセットテープ”を購入。

    それは私が人生で最初に購入した”ミュージックテープ”となった。

    ↓今でも保有している
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    そのテープに収められていたのは、「マシュ・ケ・ナダ」の他には「ビリンバウ」「おいしい水」「デイ・トリッパー」など全10曲で、当時私が所有していたビクター社(現、(株)JVCケンウッド)の ポータブル・カセットプレーヤー「カセッター※」でそれはそれは何回も聴き入った!

    ※「カセッター」は当時のビクター社によるカセットテープの録音・再生機の独自の呼称。その後”同社が開発して世界を席巻したVHSテープ”の録音・再生機も「ビデオ カセッター」と称していた。

    ※(蛇足ながら)ソニー社もテープレコーダーのことを独自に「テープコーダー」と称していた。

    ◎「ビリンバウ」という民族楽器
    先述のカセットテープに収められている1曲「ビリンバウ」はブラジルの民族楽器のことであり、下の写真のように、弓の形で弦は鉄線で、その弦には”木の実をくり抜いた共鳴椀”が付いていて、弦を細い棒で叩いて音を出すもので、その際の手には叩く棒と同時に”マラカスの中身と同じ種のような物”が入った筒状の小籠も持ちながら行うので、ビリンバウの演奏では弦の音に加えてマラカスのような音が加わったものになる。

    ↓ビリンバウ(一式:全長95センチ:中下の小籠がマラカスのような音出す:中央は500円硬貨)
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    ↓(ついでに)我が家に在る中南米、アフリカ、ユーゴスラビアの民族楽器
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    ↓小野リサ氏の監修で「LISA」の金色文字がうたれた木製サンバホイッスル(サンバカーニバルなどでピーピー鳴らす笛:右は裏側) (この品は某FM局の懸賞の当選品でレアモノ?)
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    ※「イパネマの娘」という曲は女性シンガーが歌う場合には曲名を「イパネマの少年」と変え、歌詞の中の「少女」も「少年」に変えることも多い。
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    日本発祥の「ペロブスカイト太陽電池」は、その優秀さから今や全世界で開発、改良が進められ、一部の国では商品化され始めた。

    この太陽電池の要であるのがペロブスカイトで、それを構成する成分の中でも重要な「ヨウ素」は世界的規模で千葉県において大量に産出するので今後は産業としても大いに期待される。

    現在の日本では「地産地消」という名のキャンペーンが各地にありますが、千葉県ではそれをモジって「千産千消」としているものを「千産千勝」とでも言えるような展開になりそう。

    ◎ペロブスカイトとは
    (A)メチルアミン(など) (B)鉛(など) (C)ヨウ素の3成分からなる結晶体で、これを太陽光発電用に使ったものがペロブスカイト太陽電池で日本の宮坂 力(みやさか つとむ)桐蔭横浜大学特任教授が発明した。
    このペロブスカイト太陽電池は多大な特長を有しているために、氏はノーベル賞候補と言われている。

    ◎ペロブスカイト太陽電池の特長
    1)フイルムなどに塗布または印刷して簡単に安価に製造できる

    2)薄くでき、軽くでき、曲げることができるため、形体や設置場所の自由度が高くなる
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    (↑真は東芝のHPより)

    ↓日よけ・目隠しにもなる発電シート試作品(写真は積水化学工業のHPより)
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    3)重要素材であるヨウ素が日本では豊富に産出される→詳細次項へ

    ◎ヨウ素とは
    英語表記:iodine 元素周期表における元素記号:I(アイ) 原子番号:53 個体で非金属

    ヨウ素は人体の必要素の一つであり、一般的には海水に含まれ、海中で育つ昆布やワカメなどの海藻類には濃縮されて多く含まれる。その他には硝石(鉱物)や(後述の)かん水に含まれる。

    ヨウ素含有製品:うがい薬(イソジン)、消毒薬(ヨードチンキ:但し昨2023年に製造中止。理由は乳幼児あるいは大人でも弱い皮膚から大量吸収された場合に甲状腺疾患を発症すること、近年は消毒薬として代替的製品のマキロンなどが登場しているから。なおイソジンも頻回使用すると甲状腺疾患の恐れありとされる)

    ◎ヨウ素の世界的な産地である千葉県
    世界のヨウ素の年間生産量約3万4000トンのほとんどをチリと日本が占めていて、チリが1位で2位の日本はその約3割に当たる1万トン生産。そして日本の生産量の約8割を千葉県が占めるので・・世界のヨウ素生産の約4分の1を千葉県が占めていることになる。

    しかも可採埋蔵量は約400万トンなので従来の生産ペースであれば500年続けられる。

    ◎実は千葉県のヨウ素は天然ガスと一緒に産出
    千葉県のおよそ7割?の面積の地下の地層の隙間には、水溶性の天然メタンガスとヨウ素が含まれた太古の海水が存在していて、その海水のことを「かん水」と言う。(ガス埋蔵地域は大部分を占める千葉県の他に神奈川、埼玉、茨城の各県と東京都の極一部が含まれ「南関東ガス田」と称される)
    ↓南関東ガス田(ベージュ部)(茶色部は主な採取地帯) (天然ガス鉱業会のHPより)
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    千葉のかん水に含まれるヨウ素は普通の海水の2000倍の高濃度。

    同じくかん水に含まれる天然ガス年間生産量は約4.4億㎥で、現在生産ペースで約800年もつとされ、県内の家庭や企業にはこの地産の天然ガスが地元の「大多喜ガス(株)」などから供給されている。

    地産地消の天然ガス料金は東京ガスよりも3~4割安で、しかも過去10年間値上げされていない。
    おもしろいことに、国内のヨウ素生産量は1位が千葉県、2位は新潟県。対して天然ガス生産量は1位が新潟県(77%を占める)、2位は千葉県

    ◎自然に湧き出る天然ガスのありがたさと怖さ?
    商業的には地下1000m~500mからかん水を汲み上げて生産される天然ガスだが、千葉県の太平洋側の九十九里地区から内陸にかけての範囲にある大多喜町、茂原市、大網白里市、山武市(さんむし)、横芝光町(よこしばひかりまち)などにまたがるゾーンでは地面や川底から湧き出ている場所が多くある。
    ↓川底からの天然ガスの泡が水面に出ている様子(千葉県睦沢町=むつざわ)
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    (写真は「読売新聞オンライン」より)

    千葉市にある土気町(とけまち)という地名は、その土地では何やら燃える気体(天然ガス)が出ていたことが由来と言われる。

    現在、前出のゾーンではガス会社とは契約せずに自宅敷地に掘ったガス井戸から天然ガスをとりだして使っている家庭が少なからずある。

    ↓自家用のガス井戸 (空気より軽いメタンガスを溜める筒が中央にある)
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    (画像はNHKテレビ「小さな旅」より)

    田んぼに鉄パイプを突き刺すだけで天然ガスが出るところもある。(下写真)
    ↓農作業の途中でお湯を沸かして一服(茂原市:岩波写真文庫「千葉県・新風土記」より)
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    ↓地中から直接の天然ガスは9000キロカロリーと高い(ガス会社は3600キロカロリーに抑えて供給) 
    (茂原市:岩波写真文庫「千葉県・新風土記」より)
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    気付かぬうちに天然ガスが室内に充満して引火で爆発!・・
    千葉県山武郡九十九里町に在った「九十九里いわし博物館」は2004(平成16)年に爆発事故が発生して損壊大きく1名死亡、1名火傷で重症を負った。
    原因は敷地内から自然湧出していた天然ガスが当時使用していなかったエアコンの配管を通って館内に充満していたことに気付かずに(本来の天然ガスは無色無臭。ガス会社供給時には加臭)燻煙殺虫剤に着火しようとして引火爆発したもの。
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    ※ペロブスカイト太陽電池の詳細は・・資源エネルギー庁のHP
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