◎冬の我が家にゴキブリ出現
(↑大日本除虫菊(株)のHPより)
さすがにヨタヨタと歩いている感じだったので、難なく捕まえて処分しましたが、私が千葉県のこの地に住み始めてから43年の間、冬にゴキブリ出たのは初めてで、やはり特に今季は暖冬だからと妙に納得した次第。
そう言えばこの冬(3月初旬までのところ)には庭の小さな池には薄い氷がたった2回しか張っていない。例年なら一冬に10回は凍っている。寒冷地で天然氷を作っている所や天然アイススケート場では今年うまく氷が出来ずに困っているニュースが流れた。
思えば、今から70年くらい前のこと、私がかつて住んでいた東京の豊島区のある池でさえ”大人が乗っても割れなかったほどの厚い氷”が張っていたし、20センチくらいの氷柱(つらら)も度々出来ていたことからすれば気候温暖化が進んだと感じます。
◎”生きた化石”と言われるゴキブリ
シーラカンスやイチョウばかりでなくゴキブリも”生きた化石”と言われるゆえんは、地球上に現れたのが3億年前と言われ、6600万年前に(現在のメキシコのユカタン半島あたりに)小惑星(あるいは巨大隕石とも言われる)が衝突した結果、舞い上がった塵や発生したガスなどが地球を覆ったために太陽光がさえぎられて寒冷化し恐竜たちが絶滅しても、ほんの一部の小動物とともにゴキブリは生き延びてきたから。
現在、ゴキブリは世界中に4000種あり、日本には40種。その内でも私がよく見かけるのは、クロゴキブリとチャバネゴキブリで、冒頭に登場した冬の我が家に出たのは前者。
◎頑強かと言えばそうでもないゴキブリ
我々の認識では、ゴキブリは暖かな季節に活動が活発になるし、事実20~32度Cが適温であるそうだが、それより高温になると致命的になり、35度でダウンして42度になると体内の蛋白質が固まって死んでしまう。そう言えば高温では蚊も活動しなくなるところは似ているか?
またゴキブリは乾燥も苦手。ゆえに水分を求めるから水気の多いキッチンに出没することも多い。
◎ゴキブリは飛ぶ !
普通は這いまわる姿しか見ないゴキブリですが、私が中学生の夏のこと、2階の部屋で窓を開けて勉強していたところ、突然黒っぽい何かが窓の外から飛び込んで来てノートだったかに止まったので、驚いて見てみたら大きいゴキブリだった。それをどう処理したかは記憶にないが、とにかくゴキブリというものは飛ぶものでもあると知った次第。
・・ということは・・(我が家とはちがう)立派な高気密の邸宅であっても、窓を開けていればゴキブリが飛んで侵入することもあるということで、私の経験では、ある大きなホテルの”窓が開閉できる客室”の床を這っていたのは”飛んできた”ゴキブリだったのではないかと思われることがありました。
◎ゴキブリを私の弟は昆虫標本にしていた !
ゴキブリは脚が6本あり確かに昆虫なので、昆虫採集に夢中になっていた”私の弟“が小学5,6年だったかの夏休みにたまたま捕まえたゴキブリを他の蝶々やカナブンと一緒に昆虫標本にしていた。
◎ゴキブリは病原菌の運び屋と知られて触られなくなった!
1960年代後半(だったか)になると、まず「ゴキブリは小児マヒ(現在で言うポリオ)の原因となるウイルスを持っている」という警告的な情報がマスコミから流れるようになって、それからはゴキブリはさわってはいけない存在になったので、前述のような” ゴキブリを手で触りながら昆虫標本にする”ことはできなくなった。
元々、暗くじめじめしてしかも栄養豊富な下水道などを好んで多く棲むゴキブリは、ポリオだけでなく多くの病原菌・ウイルス(サルモネラ菌、赤痢菌、黄色ブドウ球菌、O157など)を身に着けて這いまわることが、その後に発表されるようになってますます触れなくなった。おまけにゴキブリの糞にも含まれるそうなので、これも注意が必要。
◎ゴキブリは耳の穴にも入り込む!
暗く狭く暖かい耳の穴はゴキブリには絶好の棲みかとなるようで、ゴキブリが入り込む症例?が日本だけではなく世界中でゴキブリの生息地であれば発生しているそうです。
その場合のゴキブリはまだ小さい子供が多いのでしょうが、小型種の大人もいることは間違いなく、何故ならば”耳穴”に卵を産み付けられた例もあるからです。
実は耳穴に入り込む虫はゴキブリだけでなく、他にクモ、蚊、ハエ、ダニ、ムカデなどがあり、これらをまとめて医学用語では「外耳道有生異物」と言うそうです。当然のようにこれらは耳穴のみならず鼻穴、口中などにも入ることがある。
◎キッチンのゴキブリは液体洗剤で・・
食器や食材があるキッチンでゴキブリを見つけた場合、薬剤をスプレーするわけにはいかないので、私はキッチン用液体洗剤をゴキブリめがけてピュっとかけると、一瞬で絶命?するのか動かなくなるので安全に処理できます。
調べたらゴキブリは腹にある気門で呼吸していて、これが液体洗剤などで塞がれるとダウンすることがわかりました。
調べたらゴキブリは腹にある気門で呼吸していて、これが液体洗剤などで塞がれるとダウンすることがわかりました。
ただし最近のキッチン用液体洗剤は濃縮タイプなのでゴキブリ退治用に使うのはもったいないので薄めた液を用意したいところ。
◎家電メーカーはゴキブリ対策に苦慮 !
暖かくて水分がある状態になる電気製品は特にゴキブリ対策に悩まされる。
食器乾燥機は温熱部位があり、しかも水滴受け容器があり、また食器が完全に乾くまでは水分も存在するという”ゴキブリにとっては快適な機器”となるので、ゴキブリの侵入や棲みつくのを防ぐ設計に苦労する。
そのため、某電機メーカーの製品設計者は”ゴキブリ100万匹を飼育して生態などを研究している”ことで有名な「アース製薬の赤穂研究所」に出向いて教えを乞うて”電気製品へのゴキブリ侵入防止対策”を練ったと言う。具体的には機器の放熱孔、通気孔などの形状や位置の適切な設計などに応用されている。
その他、エアコンの本体の中にゴキブリ侵入の例も多く、その侵入経路には屋外にのびるドレンホースの先端からのことが多く、特にその先端が地面に着いている場合が多いとのこと。
◎ラテン音楽の「ラ・クカラーチャ」はゴキブリの歌 !
「クカラーチャ」とはスペイン語で「ゴキブリ」のこと。(「ラ=la」はスペイン語で女性名詞単数の前に付く定冠詞で、英語では「the」に当たるもの)
「ラ・クカラーチャ」は元歌がメキシコ民謡で作曲者は不明。同じ題名、メロディでも歌詞が異なるいくつもの歌が存在していて、その中の一つとして”ラテンアメリカ最初の民主革命と言われるメキシコ革命が1910年から約20年間続いた中で活躍した一人であるビリャが率いる軍隊の中で歌われたもの”があり、その歌の中の歌詞では自分たちをゴキブリに例えている。
→「ラ・クカラーチャ」=https://www.youtube.com/watch?v=fCR-xDOwlZY
この歌、日本では「車にゆられて」という曲名がつけられて歌詞は牧場の仕事の様子を表したような内容となり、「ラクカラーチャ」という言葉は単なる合いの手・掛声的に挿入されたカタチで1963年にNHK「みんなの歌」として流されてから以降、一部の学校でも歌われるようになっているそうです。
ところで「クカラーチャ」は英語では「コックローチ」なので、その語感からして互いに関係した言葉ということがわかりますが、こういうケースでは双方ともが、ある一つのラテン語から出ている場合も多いものの、もしもラテン語由来ではないとすれば、私は英語の「コックローチ」が中南米に到ってからなまって「クカラーチャ」になったと考えていたところ、実態はその逆で、「クカラーチャ」が英語圏に到って「コックローチ」になったとのこと。
ちなみに私事ながら、私が英語の「コックローチ」という単語を覚えたのは、1977(昭和52)年に大日本除虫菊株式会社から「金鳥コックローチS」というゴキブリ用殺虫剤スプレーが発売されたからでした。(現在は「金鳥コックローチ ゴキブリがいなくなるスプレー」という名の商品になっている)