徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

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    2024年02月

    前回、最近の日本での騒音苦情の事例をあげてみましたが、冬ならではの例、その他の例を追加紹介します。
    ◎「雪かきの音がうるさい」・・という苦情
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    その音とは「ゴーリ、ゴーリ」というような音であり、雪かきをする際に金属またはプラスチックのスコップ(シャベル)やスノウダンプ(上イラスト右側)が地面(最近はたいていアスファルト舗装面)に擦れて必ず発生する音。

    勿論、降雪が多い地域では必要な作業なのですが、”深夜または早朝の雪かき音による安眠妨害”への苦情が非常に多い。

    具体的には、”深夜2時、3時”や”早朝5時”の雪かき作業を平均30分くらい続けるのでその音で眠っていられないという声が多発。

    中には、深夜にエンジン式の家庭用除雪機※を使う人もいて大迷惑だが、豪雪地域では自治体が大型除雪車を深夜でも稼働させることがあり、これは各家庭前の道路をサーっと通り過ぎるので苦情は出ないそうだ。 ※電動の静音タイプ除雪機は販売されているのだが・・

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    北海道の河西郡芽室町では公害防止条例で「夜間(22時~6時)にあっては付近の静穏を害する行為をしてはならない」と定めているため、これをもって違反者を出さないようにしている。

    ◎「『火の用心』の見回りの掛け声がうるさい」という苦情
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    昔から全国的に行われてきたカタチは、夜間に数人が一団となって「火の用心(ひのよーじん)」と大声を出し、拍子木をカッチ、カッチと打ち鳴らすことを繰り返しながら地域を歩き回る・・というもので主に空気が乾燥しかつ暖房などで火を使うことが多い冬の期間中に行われるもの。

    私がかつて暮らした東京都豊島区の町では、昭和20~40年代(その後は知りませんが)には「火の用心! マッチ一本火事のもと!」と言っていた。またその一団は大人一人が付いた子供数人で構成していた。
    しかし現在はこの”火の用心巡回”を行う地域が減っているそうで、その理由は・・子供が減った社会では寒い中での高齢者が行う訳にもいかないこと。巡回担当が持ち回り義務になっている地域ではその負担への不満充満。
    そして”火の用心巡回”の掛声がうるさいという苦情も多いこと。

    ・・というわけで長年の慣習を廃止する地域が多いものの、超高齢社会の最近では住宅火災で焼死するお年寄りのなんと多いことか。むしろ東京都の東部の住宅密集かつ道幅が狭く消防車到達困難地域では”火の用心巡回”を消滅させてはならないという意識が若年・壮年にも強い。

    この巡回にはもう一つ同時に、不審火・不審者防止という効果があることも見逃せない。

    次善の策として”声は出さずに拍子木だけ叩いてまわる” “消防団員のボランティアが実行” “(私の住む地域では冬季のみに)消防車が鐘(電子音)を「カン、カーン」と5秒ごとに鳴らしながら巡回”などで対応している。
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    その他、生活音の範疇に入るもので騒音苦情として多いのは・・

    ◎飼い犬の吠え声
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    犬の吠える単発の声(ワンと一声くらい)には我慢できても、連続して吠える、年がら年中吠える声は万人がうるさいと思うもので、それも屋外の犬小屋で飼っている犬の場合は酷くなり、これを飼い主が放置しておけば隣近所から苦情が出ること必至。

    私の近所では、犬の吠え声への苦情が原因で2軒の間が絶交していました。(その後、犬の家は転居) また、昔に私の祖父の家の犬小屋で飼っていたほとんど吠えない犬に「うるさい」と苦情を言ってきた隣家がありましたが、これは余程の犬嫌いだったのでしょう。

    以前のブログに書いたことがありますが、昔 私が警察無線を傍受出来ていた時期には「住所〇〇の〇〇という家の横を通るたびにこの家の犬が吠えてうるさい」という苦情の訴えがあるので現場に向かえという指令を警視庁からパトカーへ伝えていたことがありました。

    これまた昔の話ですが、日本ではかつて「スピッツ」(正式犬種名:日本スピッツ/下写真)という”フワフワ白毛で耳ピンと立ちちょっとかわいい顔”をした中型犬がもてはやされた時代があって、先述の祖父の家でも飼っていたことがありますが、この犬、キャンキャンとよく吠える性格と抜け毛が多めであるのが欠点で、それ故に全国で次第に飼われることが少なくなってしまいました。(ただし、最近は比較的おとなしくなるように品種改良しているとのこと)
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    (↑
    写真はウエブマガジン「いぬのきもち」より引用) 

    ◎風鈴の音
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    風鈴はガラス製、陶磁器製、鋳鉄製などがありますが、いずれも風によってチリン・チリンという音がするものですが、決して大きな音ではないものの・・

    まず問題はこの”風鈴の音そのものが人によって好き嫌いが分かれることで、嫌いな人にとっては騒音となっていること。

    もう一つは、”風鈴が強風のもとでは強い音でしかも途切れることなく鳴り続ければうるさい”と誰でもが(通常の風鈴音が好きな人でさえも)騒音と感じること。・・実際の例では夏を過ぎても風鈴を”ひっこめる”ことをしないで台風や、木枯らしが吹いてもほったらかしの家が少なからずある。

    ◎騒音になり得る音環境の概念図
    ここで、前回と今回でとりあげてきた”騒音になり得る音環境”を整理して下図のようにしてみました。
    <直接音>対面して話される声、怒鳴る声 / 同じ部屋や電車やバスの中で騒ぐ声など
    <隣接音>隣室・隣家の人の声や足音、家電機器音、ペット声、風鈴音など。いわゆる生活音。
    <周囲音>隣接または極近隣の公園、駐車場、道路駐車、保育園・幼稚園・小学校などからの声や音。
    <公害音>万人が確定的に騒音と感じる音なので各種法や条例で規制あり。工場や工事現場の稼働音、自動車類総体の走行音、航空機音など。
    <公共音>多くの人への素早い情報伝達のために必要な”地域有線放送”、地域住民が楽しみにしている伝統の行事や祭りの音、年に一度の除夜の鐘、”火の用心”の巡回音など。
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    その他、騒音に関して私が体験したエピソードなどは次回に・・
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    (1)多くの寺が除夜の鐘に苦慮
    昨2023年の大晦日、『東京都のある寺では除夜の鐘をつくことをやめた。
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    この寺では昔から、毎月1日と15日の午前5時に鐘をついてきていたが、5月に「鐘の音がうるさい」という苦情がよせられたと警察から連絡があったので、以後は鐘を打つ回数を減らしていたが、11月になって鐘をついた数時間後に、墓地に備え付けの手桶30個がすべて燃やされてしまった。

    ・・というわけで、寺の鐘の音に不満をもつ人と対話して良案を求めたいが、それもできないままでは今後のエスカレートも心配なのでやむなく日常の鐘つきと除夜の鐘つきを中止にしたのだった。

    また別の寺では、苦情が出ることが予想されるご時世になったので、予防措置として自主的に”除夜の鐘はコンと打つ”だけにとどめるようにした。』 (『』内は毎日新聞ウエブ版2023.12.31より抜粋)

    私の住む千葉県の圓明院というお寺でも、除夜の鐘は騒音苦情対策かつ高齢者と子供が参加しやすい時間として午後4時からつき始めている。

    (2)盆踊りの太鼓の音や音頭の歌声に苦情も !
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    盆踊り(夏祭り、秋祭りなど)開催にあたって主催者側は開催前に管轄警察や近隣への断りを入れていても、最近は音がうるさいという苦情が出ているケースも増えているようで・・

    『太鼓の”打つ面“の反対側の面に分厚い布を張って音を弱めたり、音量を抑えた電子太鼓を使うところも出ている。』 (『』内 同前)

    私の住む地域では盆踊りそのものの開催を従来は2日間、午後3時から午後10時までだったものを、段階的に日時を短縮するようになって最終的に、開催は1日限り、しかも午後9時までになってしまった。

    (3)子供騒音苦情で公園廃止事例が発生
    昨2023年3月末に、長野市のある公園が廃止されたが、その理由を市は「隣接する住宅の一軒から『子供たちの声がうるさい』という苦情が出ているため」と説明した。

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    この報道がマスコミから流されたとたんに、この苦情主への批判が多数(賛同も若干)SNS上などに寄せられた。同時に氏名と身分を特定して公開され、いやがらせの電話あり、頼みもしない住宅メーカーのパンフレットが送付された。

    週刊誌の取材において苦情主が語ったことには・・「子供たちが公園で遊ぶこと自体に反対しているわけでもなく、ただあまりにもうるさく、雨戸を閉めても効果ないほどで、しかも禁止されている球技をしてボールの打球音やサッカーボールを蹴る音がこれもうるさい。

    さらに近所に在る児童センターがウイークデーの午後3時から5時くらいまで約50人の児童をひきつれて遊ばせる時間帯が特にうるさい。おまけにこれら児童の親が送迎するために付近にとめたクルマのエンジンをストップしないのでこれもうるさい。

    このような状況なのでこの苦情主は自ら、ボール遊びの子供たちには都度”公園の規則を守るよう”に言い聞かせており、児童センターにも対処改善を申し入れしたりしていたが一向にらちが明かなかった。」

    そもそもこの公園に隣接する住宅でこの苦情者宅以外は日中不在なので苦情が発生しなかったようで、結局は苦情者宅の奥さんが「18年間我慢してきていたが、主人が前年に定年退職して在宅でリモートワークを始めたところ、この日中のうるささをあらためて主人が強く実感するようになったため、市に訴えた」・・のだそうです。

    (4)電車内で騒ぐ自分の子供放任を主張の”「おやおや」な親”登場!
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    数年前にマスコミによって紹介された事例ですが・・電車内で騒ぐ子供に向かって、ある高齢男性が”うるさいことを注意“したら、その子の親がこう言い放った・・

    「子供は泣いたり騒いだりするのが仕事。うちでは周りに迷惑をかけるなという躾はしていない。
    あなたの価値観を子供に押し付けないでください」

    もうこの親の言動にあきれるやら、悲しいやら。 その親自ら「・・という躾はしていない」と言って、その言葉どおり躾ができていないし、これは価値観以前の問題であるということが分かっていないので思考回路が疑われる。

    ここでちょっと話は飛びますが・・やはり数年前に、児童が学校給食で食事前に「いただきます」と唱和することにたいして、ある親が「給食費を払っているのに『いただきます』という必要がないではないか」と学校にクレームをつけた事例があったが、その親も「いただきます」の本当の意味を考えることができないことを世間にさらけ出していた・・ことが思い出されます。

    ◎「騒音」とは何なのだろうか?
    「騒音」とは「望ましくない音」である。
    ・・という説明がみられるが、確かに”大音量で長時間継続する音”、例えば工場・事業場騒音、交通騒音、建設作業騒音などは万人が望まないものなので各種法令や条例で規制されているが・・

    では”大音量だが短時間継続、しかも年に1回かつ決まった日にしか出ない除夜の鐘や盆踊りの音は、大多数の人が望む行動にともなって発生する望ましい音であり、望まない人は少ないのに、これを騒音と呼ぶものだろうか?

    一方で大音量ではないものの、音によっては”望ましくないか否か”は”時と場所と人”によって異なるものがあり、それが生活騒音とされる部類に多く例えば、東京都環境局の5分類によると・・

    ・家庭用機器からの騒音:冷蔵庫、掃除機音など
    ・家庭用設備、住宅構造面からの騒音:ドア開閉音など
    ・音響機器からの音:ピアノ、カラオケ、ステレオ、テレビなど
    ・生活行動に伴う音:話し声、足音、食器の音など
    ・その他:ペットの鳴き声、風鈴、建物外から入る自動車の音(クラクション、エンジン音、タイヤ音)など

    ※これら5分類生活騒音についての実例やエピソードが(私が経験した事例だけでも)多くあるのですが、次回にご紹介します。

    さてこれらの生活騒音は程度の差はあるものの、音の発生源からは壁、床、天井、窓ガラスなどで一応遮断されているが若干漏れている、あるいは伝わってくるという、いわば(音源近いが)”間接騒音”。一方・・

    前述の例のように、電車内という狭い一種の閉鎖空間の中で、音を遮断するものもない状態で、寝ている人、本を読む人、体調がすぐれない人などがいるかもしれない前で子供が騒ぐ音は(間近からの)”直接騒音”であり、即禁止・制止すべきは明白。

    そしてもう一つの前述例の”公園での子供騒音”苦情の件は、苦情主、児童施設や学校、公園管理する自治体のそれぞれがもっと真剣に対処法を考えていたら、なにも公園を廃止しないで済んだのではないだろうか。(苦情主は「何で苦情を言うのか、ここに住んでいる者にしかわからない」というようなことを述べておられるそうだが) 対策案として・・

    ・まず児童施設や学校での騒音教育・指導の徹底。 

    ・児童施設が児童50人を連れて当該公園を利用する際には、この公園は広いので”苦情主宅から半径20?メートル以内には児童たちを行かせないように都度ロープを張る。 

    ・「不快音」は音量や音の波形に関係なく4000~7000ヘルツとされるが、子供の声は通常は1000~2000ヘルツのところ、遊びの最中によく発する「キャー」という声は4000ヘルツを超えていることはまちがいない。(子供のデータが見つからないが、大人の「キャー」という声でさえ2000~4000ヘルツとされるから)

    この子供たちの高音の声は反射しやすくかつ吸収されやすい性質があるので、これを利用して、苦情主宅近くに”音の反射板”設置や常緑樹の植栽を増やす。(見通しや風通しに配慮しながら)

    ・苦情主宅の窓を2重又は3重の防音ガラスにする

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    以上、騒音についてまだ語ることがあるのですが、文章量が多くなりすぎたので、次回に続けます。
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