先ごろ(2023年10月14日)、コメディアンであり俳優でもあった財津一郎氏(以下、敬称略)が89才で亡くなり、新聞の死去告知欄の中で「タケモトピアノのCMでも知られていた」というような説明があったことにちなんで・・
実際のCM → takemoto-piano-cm
このCMは2000年から今年(2023年)8月まで流されたということで、われわれの脳裏に焼き付いていますが、その理由として20年以上も変えずに”繰り返しの継続効果”だけではなく”セリフとリズムとメロディ”の心地よさもあって自然に覚えやすい面がありますが、それだけではなく・・
◎赤ちゃん泣き止む音(1) タケモトピアノのテレビCM
最近「財津一郎が出演するタケモトピアノのテレビCMが流れ出すと赤ちゃんが泣き止む」 という情報を見聞きすることが多くなっていましたが、その最初の出どころはテレビ番組”探偵!ナイトスコープ”だったとのこと。
また、育児雑誌(「たまごクラブ」か?)の調査では、”赤ちゃんの好きな音楽”第1位がタケモトピアノのCM曲だそうです。
このCMの”赤ちゃん泣き止み”効果を生む要素は何なのか?
財津一郎による「クルマ売ってちょおだーい」 「もっともっとタケモット」 「そのとーり」 などコミカルな旋律をつけた語りのような歌なのか?
「みんなまあるくタケモトピアノ」という女性バックコーラス部分か?
それともメロディとリズムの音楽全体か?
タケモトピアノ株式会社でもこの点を調べたようで、いくつか指摘されたことを紹介していて・・
1)ある研究所によれば・・音がランダムで飽きない
本能的に振り向く音が多い
音楽の途中でリズムが」変わる
2)音階が急に大きく上下するメロディーラインが興味をひくから。
3)歌声が赤ちゃんが好む440ヘルツ周辺の音だから。
・・ではないかとのこと。
440ヘルツと言えば、ピアノに限らないが現代の楽器類の音の基準であり、昔はラジオなどでよく耳にした時報の”ポッ・ポッ・ポッ・ポーン”の最初の3音がこれに当たり(後ろのポーンは880ヘルツ)、我々大人は聞きなれ親しんだ音だが、それが赤ちゃん時代からすでに心地よかったのだろうか・・
この“タケモトピアノCM効果”の他にも・・
◎赤ちゃん泣き止む音(2) 口に含んだ水によるチュルチュル音
口に水(液体)を含んだ状態あるいは唾液を溜めた状態で、口先をすぼめて少し開けると同時に空気を吸い込んで「チュルチュルチュル・・」と出る音を、泣いている赤ちゃんの耳元で聴かせると泣き止む・・といわれています。
◎赤ちゃん泣き止む音(3) スポーツカーのエンジン音
従来から”赤ちゃんを泣き止ませる音”として”クルマのエンジン音”があげられていますが、本田技研工業(株)では調査と科学的分析によって、ホンダの30車種の中でも”2代目MSX”のエンジン音がもっとも効果があることが分かったので、(株)タカラトミーアーツと共同で” 2代目MSXのエンジン音 (エンジンを断続的に空ぶかしするような音) に近い音が流れるぬいぐるみ”を商品化して、つい最近(2023年10月28日)に発売開始されました。
実際のこのぬいぐるみの音 →
https://www.youtube.com/watch?v=EuQ7zHYFsuw
※開発経緯の詳細は・・「インプレス社のCar Watchサイト」 参照ください。
◎赤ちゃん泣き止む音(4) ある調査による「ベスト10」
「ベビーカレンダー」(医師・専門家監修の”妊娠・出産・育児の情報サイト”)の発表では・・
1:レジ袋を手で揉む音・・クシャクシャという音をたてることは簡便な方法でしかも効果あることが多いようで、ネット上でも多く推奨されている。
2:ドライヤーの音
3:掃除機の音
4:シャワーの音
5:ラジオのノイズ音・・“サー”という音
6:換気扇の音・・(当筆者注)これはたぶん”プロペラ羽根ではないタイプ”のものと思われる。
7:電車の走行音
8:空気清浄機の音
9:”ガラガラ”
10:”おしり拭きペーパー”の外袋を手で揉む音
その他,マスコミなどで見られる方法には・・・”雨の音”、“ホワイトノイズ(”サー”という音)”、“小さな波の音”などがあげられていますが・・
◎赤ちゃん泣き止む音(5) 母親の胎内の音
赤ちゃんが泣き止むための音として前述の(1)から(4)までで紹介した”音”はその多くが、”胎児として母親の胎内に居た際に聞こえていた音(胎内音)”に近いものであるとされています。
胎内音には心音、血流音、会話音、音楽などがありますが、常時聞こえるのは心音、血流音であることから、現在、赤ちゃんが泣き止むための音としてストレートに”胎内音そのもの”がネット上のYouTubeでいくつか聴けます。→ tainaion
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胎内音は”ザクン、ザクン、ザクン・・”というような音が断続的なものなので、前述のぬいぐるみ「ホンダ サウンドシッター」でも胎内音に似たエンジン音がやはり断続的に流れるように設計されていることが納得できます。
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以上のように、赤ちゃんが泣き止むための音は色々ありますが、実際に電車内や公共施設などの場において赤ちゃんが泣き止まず困る場合、とっさに対応できる方法は・・”口中の水(又は唾液)チュルチュル音”や”(外出時に常時携行の)ポリ袋類の手もみによるクシャクシャ音”ではないでしょうか。
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