先々回のブログで、大谷翔平が”目標に達するための方策と手段”を考えるためにマンダラチャートという図表を使っていたことに触れましたが・・
↓大谷作成のマンダラチャート図
似たような手法は他にもあるので、いくつか紹介します。その中には私も仕事の中で実際に使ってきたものもあります。
↓大谷作成のマンダラチャート図
似たような手法は他にもあるので、いくつか紹介します。その中には私も仕事の中で実際に使ってきたものもあります。
まず今回は「マンダラチャート」についてもう少し詳しく・・その前に、「マンダラ」について・・
◎「マンダラ」は「曼荼羅」(まんだら)
ここでちょっとご注意 !「曼荼羅」の真ん中の文字は「茶」(英語のTEA)ではなく、草かんむりの下は「余」なので念のため。私も最初は間違えました。(他に「曼陀羅」という表現もあり)
「曼荼羅」という言葉は”本質・真髄を有するもの”という意味だそうで、仏教の一派である密教も大きくみれば大乗仏教という”衆生を護り、救う性格”を持っているものの、その経典には難解な文言が多く、しかも何やら秘密っぽい加持祈祷を重視するなど理解しにくい面があるために、教義の本質・真髄を踏まえながら”密教における世界観”を少しでも分かりやすいように”見える化”をしたものが「曼荼羅図」。
◎「胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅」と「金剛界(こんごうかい)曼荼羅」
密教の源流は7~8世紀のインドで発生した「大日経」と「金剛頂経」という二つの宗派にあるとされ、双方とも本尊を大日如来とする共通点はあるものの、相違あり、それがその状態のまま中国に伝わっていたが、その中国へ日本から留学していた空海が帰国するにあたって空海の師匠が、この二つの宗派の難解な教義と世界観をそれぞれ見える化した曼荼羅図を(絵師に描かせて)作ったものを空海に持たせたのが「胎蔵界曼荼羅」図と「金剛界曼荼羅」図で、この二種セットで「両界曼荼羅」図と称する。(それぞれ「図」は省略された表現が多い)
かくして密教は日本においては空海(弘法大師)が真言宗として広め、そのためには両界曼荼羅も利用した。現在では空海が持ち帰った曼荼羅図は無いが、その模倣やアレンジしたものが真言宗の発展と共に作られて多数存在する。
※ここで後述部分のご参考までに・・仏教の世界において人のような姿で現すのは、上位から「如来」、「菩薩」、「明王」、「天」の4種のみ。
「胎蔵界曼荼羅」は「大日経」に基づいたものであり、”真理を実践的側面や現象世界のものとして捉えている”のだそうで、”大日如来の悟りと慈悲と智慧の世界を表したもの”とも言われる。
中心部には大日如来を囲んで4体の如来と4体の菩薩の計9体が座しており(下図右の9マス)、その周りに二重、三重に明王や天が取り巻いている。
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「金剛界曼荼羅」は「金剛頂経」に基づいたものであり、”真理を論理的側面や精神世界のものとして捉え、
大日如来の悟りを開くための方法を説いたもの・・と言われる。.
大きく見ると9個のマスが存在して、さらに各マスの中にも9個のマスが存在する。
ここまで述べますと・・大谷翔平のマンダラチャートを一度でもご覧になった方はピンとくるはず・・そうです!彼の作成したチャートは金剛界曼荼羅図の構成とよく似ているのです。
◎「マンダラチャート」とは
”人生とビジネスを豊かにするために、ブッダの知恵を元にした思考法と曼荼羅図を元にした(←開発者の言)”中心核を持つ3x3または9X9のフレーム(マス)を使うことによって”求めたい事や知りたい事などが視覚化(見える化)”されてよく分かるようになるという手法となり、事業計画、人生設計、新商品開発などに適用できるとして、このフレームを「マンダラチャート」と名付けてそれを利用する手法を松村寧雄氏((株)クローバ経営研究所 社長)が1979年に開発して提唱したもの。
この「マンダラチャート」手法は難しい決まりは無く、使い方は大谷翔平の作成した「マンダラチャート」を見れば説明は不要なほど簡単。ただし上図の”中心部の8色の丸=外周部の8色の丸”の中身に当たる言葉を考え、探し、見つかりにくい場合はなんとか絞り出すこと、その後8X8=64のマス目を言葉で埋める場合も同様の作業が必要ですが、達成すれば”目的・目標とそれを実現するための方法・手段”あるいは”大きな事柄を構成する諸要素は何なのか”あるいは”大問題の要因や解決要素”などが明確に見えるようになる。
「マンダラチャート」手法の普及を目指して「一般社団法人マンダラチャート協会」が立ち上げられて、「マンダラチャート」は商標登録されています。この協会は多様なプロモーションを展開して、チャートの使いこなし講習会なども行っている。
マンダラチャート協会のホームページ・・・
https://mandalachart.com/
お気づきのように、マンダラチャートのマス目は、大きな四角の中に縦に8本の線、横に8本の線を引くだけで作れますから自分でも簡単に描けます。しかし、これをいつでもどこでも頻繁に使う人などに向けて・・
(株)クローバ経営研究所からはマンダラチャート用のマス目があらかじめ印刷された「マンダラノート」という商品シリーズが販売されています。
また「マンダラチャート」と同様の「9マス ノート」使用の手法用に「M9note」シリーズというものも(株)日本写真企画から販売されている。
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次回も曼荼羅(マンダラ)やスゴロクに関連した”思考手法”などについてです。
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