徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

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    2023年04月

    ◎「大谷マンダラチャート」とは
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    (株式会社コーセーのHPより)

    今の大谷翔平を形成した原点となったと話題の「大谷マンダラチャート」は彼が花巻東高校の1年生の時の2010年12月4日に、当時の究極目標である”プロ野球8球団からドラフト1位指名されること”と、それを”実現するための必要な8つの大項目”さらに”その大項目ごとに必要な8つの小項目(つまり小項目総数は8X8の64)”を網羅してチャート(図表)化して作製したもので、これにより目標とそのための手段や方法が(今で言う)「見える化」されている。↓.下図参照下さい。

    野球人としての必須項目は勿論として、注目されるのは”今の大谷の人物評”として高評価要素となる、”ゴミ拾い”、”道具を大切に使う”、”思いやり”、”礼儀”などを当時からあげてそれを28才の現在までも守って.いること。

    (図中左上の”体づくり”の「FSQ90kg」「RSQ(BSQ)130kg」はいずれもバーベルをスクワット状態で持ち上げるもので、FSQは顎の下位置まで90kg、RSQは肩に背負って130kgを持ち上げるという目標)
    ↓「大谷マンダラチャート」 (クリックで拡大)
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    ※「マンダラチャート」という方式そのものと関連事項については後日 紹介します。

    ◎大谷翔平の読書大切志向
    前述のように大谷が高校1年時に作製した「マンダラチャート」中の小項目の一つに”本を読む”があげられ、実行されていて、大谷いわく『一回読んだだけで得られるものは30~40%。何回も読むことでもっと違う捉え方ができる』

    前回のブログの最後尾に次回予告として”大谷翔平の愛読書”のとりあげを記して発信した翌朝に、テレビ朝日系「羽鳥慎一モーニングショー」で大谷翔平の愛読書が紹介されてしまったようなので、今回はその一部内容も引用させてもらいます。(以下文中『』内が引用部分)

    ◎愛読書(1)中村天風著「運命を拓く」
    著者の中村天風(1876=明治9年~1968=昭和43年)は波乱万丈な人生経験があり、日清・日露の戦時には日本軍の諜報員をしたその後、当時は”死の病” だった結核にかかったものの当時の日本の医療では治らず、救いを求めて海外を巡り著名な医者や宗教家などに頼ったが結果は芳しくなく、最後にエジプトで出会ったヨガの達人に指示をされてヒマラヤの麓で修行して結核は治癒。その後、孫文とも友人となり、中華民国最高顧問の称号も得ている。後年、自分の経験と思索で得た”天風哲学”を世間に広く説法する.ことに専念し、各地で講演や本の執筆もした。

    その本の一つが「運命を拓く」(講談社文庫)である。↓
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    この本の内容を極言すれば「何事も消極的にならずに積極的に生きるべし」というものだが、もう少し理解するためにテレビ朝日の(京都大学出身ながら問題発言多発で有名な?)玉川徹氏が『中村天風財団の村里泰由理事を取材。著者が唱えた消極的でなく「積極的に生きる」とは、と問うたところ村里氏は・・
    「一升瓶にお酒が半分入っている。Aは“半分しかない”と思い、Bは“まだ半分残っている”と思う。Aは積極にはなり得ない。心の持ち方ひとつで、不平不満コースに行く人、幸せコースに行く人がいる。入ってくるマイナスをプラスに変えていこうという感情が、すべてのものをコントロールする。積極につながる一番の近道だという答えを出している」と語った。

    実はこの本を私は未読なので今年3月中旬に大型書店に行って探しても見つからず、店員に問うと「現在、在庫切れです」という答えだった。

    この状況を招いているのは”大谷翔平が渡米前に熟読していた本.”と紹介されると同時に、著者の中村天風に教えを乞うた人が多く、その中には著名な企業経営者の松下幸之助、稲森和夫らの他、東郷平八郎、原敬、北村西望、宇野千代、双葉山、王貞治、広岡達朗たちの名があげられていることも影響しているだろう。

    ◎愛読書(2)アンドリュー・カーネギー著「富の福音」

    この本も大谷が日本ハム選手時代によく読んだそうで、米国の鉄鋼王と呼ばれる大富豪になったカーネギーの”富の社会への還元の仕方”などが(恐縮ながらこの本も未読なので)語られているようだが、大谷に参考になったのは”常にデータを基本に未来を想像して行動する”という内容の部分ではないかと言われる。
    この本におさめられているか否かは分からないですが、カーネギー氏の人生訓のような言葉は大量に在り、例えば・・
    「賢い人は徹底的に楽天家である」
    「成功の秘訣は、いかなる職業にあってもその第一人者たることを期することである」
    「笑い声の無いところに成功は無い」
    「財産よりももっと尊いものは明るい性格だ」
    ・・・これらは今の大谷が実践しているように思える。

    ・・・・・・・・・・・・

    余禄(1)「靴のセールスマンがアフリカに行った例え話」
    前述の「一升瓶にお酒が半分・・」の例え話にはピンときた方も多いのでは?・・
    これに似た”よく知られた例え話”があり、それは・・

    「靴メーカーA社とB社のセールスマンがアフリカに行ってみたら現地の人たちは裸足で誰も靴を履いていないことが分かったので二人ともすぐさま本社に次のように報告。 A社セールスマンは『ここでは靴を吐く習慣が無いから靴は売れません』 B社セールスマンは『ここでは誰も靴を履いていないので、至急ありったけの靴を送ってください。この人たち皆が靴を買ってくれたら大きな市場になります』。このように消極的思考・行動と積極的思考・行動では大きな差ができる」

    余禄(2)「稲盛和夫氏の別の顔」
    中村天風の教えを受けた稲盛和夫(1932~2022年)氏は京セラや第二電電を創業しJALを再建するなど産業界に大きく貢献して、その経営哲学や手法について教えを請われることが多かったので「稲盛塾」を作ったほどだった。

    実務においては”天風哲学”継承の結果であろう積極的姿勢が強力に発揮されていたようで、それを物語る.エピソードを、私の高校時代のクラスメートでかつて「日本ガイシ」(根幹技術が陶磁器という点で「京セラ」と競合関係の企業.)に勤務したS.T氏がこう語る・・

    「日本ガイシでは今から30年ほど前から電力、自動車産業以外への展開を狙い半導体製造装置分野で使われるセラミックスの研究をしていました。

    あのころ開発した半導体製造装置用セラミックス製品が今や世界一のシェアを獲得する事業にまで成長し、ガイシや自動車用セラミックス製品が消えた後の会社の利益を支える製品として期待されているようで感慨深いものがあります。 

    この半導体製造用セラミックスの分野でも京セラとは熾烈な競争を繰り広げました。京セラを創業し最近亡くなった稲盛さんは倒産したJALを立て直すなど、仏のような経営者と言われていますが敵に廻すと本当に手ごわい相手でした。そこまでやるかというブラックな営業、特許戦略手法も繰り出し、日本ガイシ社員はほとほと嫌になりました。

    しかし、嫌いであった稲盛さんも今思えば何も無いところから結果を出す実行力のある尊敬すべき偉大な経営者ですね。

    イーロンマスクのようなイノベーション力で日本を3等国から再浮上させるために、稲盛さんのような実行力のある人が何十人も輩出することを期待したいです。」
    ・・・・・・・・・・・

    宮沢賢治、石川啄木とともに岩手県生まれの3大有名人?の一人である大谷翔平は今や世界的存在。彼は1994(平成6)年7月5日生まれ 身長193cm 体重95.3kg
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    ◎誤解を招くおそれある大谷評も良く読めば・・
    あれは、大谷がメジャーリーグに行く直前頃だったから、今から5年前の2018年の初めのこと、東京・六本木のある寿司店のお客さんの一人(大谷の近くに居て彼をよく知る人物)が「大谷翔平は我(が)を通すので一筋縄では動かないオトコですよ」というようなことを言っていたと、私はこの店の寿司職人をしているという人から聞いた。

    「我(が)」とは(広辞苑によれば)「思う所を言いはって、人の言に従わぬこと」とある。

    私はそれ以後、大谷に対して若干のマイナスイメージを抱いていた。

    そして今年、WBCで侍ジャパンが頂点に立ち、大谷の活躍とともに彼の言動についてのコメントも多く紹介され、大半が賞賛する内容なのだが中には”言葉だけを聞くと、大谷のネガティブな面の紹介と誤解されるような例”がいくつかみられた。例えば・・

    栗山監督はWBCの決勝戦で大谷翔平を起用するにあたって次のように述べている・・「翔平はどっちかとうというと”天邪鬼(あまのじゃく)系”なので、私から『こうしようよ』とは言わずに、彼のほうから(登板準備OKですよと)言ってくるのをずっと待っていました」

    同じくWBCで不動の2番だった近藤健介(ソフトバンク外野手)は以前に所属した日本ハムファイターズで同僚だった大谷の1年先輩として、『WBC大会前から彼を評して「生意気ですね」と言い、大会後も印象は変わらず「生意気ですね。日本にいる時と変わっていないです」と笑顔で語った。もちろん大谷のことを知り、リスペクトするからこその表現だろう。(その証拠に)近藤は「大谷とは久々にチームメートとなったが、本当に想像の10倍すごかった」と印象を振り返った』(『』内はルポライターの竹村岳 氏による)

    ※ただし上記の「生意気」という言葉を使った表現部分は(さすがに誤解を招くと考えられたようで)ネット上ですぐに削除された。私は幸運?にも削除前の文章を記録していたので、ここでご紹介できる次第。

    あるNPB(日本野球機構)関係者は「大谷の日本ハム時代は唯我独尊タイプで、グラウンドでは他を寄せ付けないオーラを放っていました.」.と言う。

    なぜこのような大谷評がでるのか? それは彼が野球人としての高い目標を設定して、それを実現するための手段・方法の実行に邁進しているからこそ、「それを無理だと思わないことが一番大事だと思います。無理だと思ったら終わりです」という言葉に表われた彼の心構えに対してそれが誰であれ他人による指示や助言が彼の意にそぐわなければ妥協しないからでしょう。

    大谷を本当によく知る人たちの大谷評は、一見、一聴では誤解される恐れがあるものの、よく読むとそれは大谷を肯定し、能力を認め、リスペクトの成分を含んでいることがわかる。

    そうした背景には、大谷が既に(どこかの首相ではないが)異次元の領域に達しているからであろうことは、かつては彼を指導したり、先輩だった人たちの次のような言葉に表われている・・
    大谷の花巻東高校時代の野球部の監督の佐々木洋氏が「最近、彼にバッティング技術について質問したが難しい説明でもう私にはわからない内容だった」と述べ、

    前出の近藤健介選手もWBC開催中に『大谷と打撃理論について意見を交わしたというが「規格外すぎて参考にならない。よくわからないことを言っていました」と苦笑い』(『』内はルポライターの竹村岳 氏による)

    ◎大谷は生来の完全主義者!?
    こうした今の大谷翔平という人間をつくった要素は何かと言えば、根本は彼自身の頭脳と肉体にあるのだがその使い方が“彼が信条とする「楽しむ前に正しいことをする」”の実践を完璧に行うことに向けられている。彼にとっての「正しいこと」とは倫理的に正しいことばかりではなく、目標実現のための正しい手段、方法でもある。この”正しいこと”の追求イコール完璧さの追求になっている。ゆえに彼は野球につながることがないモノには”興味を示すという(彼にとっては)ムダなこと”をしないことにもなっている。
    大谷の完璧さを求める心は既に子供の頃から発現していて、大谷の母である加代子さんは語る・・「あの子が幼稚園か小学校に上がったばかりの頃、好きだったハリーポッターのキャラクターが描かれた表紙のノートがあったんですけど、なぜか買った当初からその絵の一部の印刷がはがれていたので、翔平はそれが気になってしょうがなくて自分でその分部に色を塗っているんですが、思い通りにいかないどころかさらにおかしくなってしまい、泣いて自分で怒ったことがあります」 また・・

    「翔平が気に入っていた絵本がある時、端っこが少し折れていたので『誰が折ったんだ!』と怒っていました」

    ◎完璧を求め徹底した行動の色々
    《筋力増強》 
    ・500ポンド(226.8kg)のバーベルを“涼しい顔で”腰のあたりまで持ち上げる姿を先日のテレビで観ましたが、専門家は優秀なボディービルダーでもこの重さを持ち上げられる者はめったにいないと評していた。

    ↓腕の筋肉がよくわかる写真 (「Getty images」より引用)
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    ・日増しに筋肉が増大するので、寝具を提供する「西川(株)」は大谷の身体測定を年間に何回も行って最適状態になるように”大谷選手用の寝具”を常に修正している。
    身体測定の様子 (以下写真5枚はテレビ番組「ミヤネ屋」より)
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    ・打撃用の筋力が十分な域に達した現在、使用するバットの製作社(アシックス)に向けて大谷が発した言葉は、「飛距離は問題ないから、あとはもう少し(球との)コンタクト性を増やしたい」。
    その結果、大谷用バットは”一般用と比べて太い部分が多い”形となっている。

    《睡眠重視》
    「趣味は睡眠」「睡眠はリカバリーのため」と宣言するほどの大谷は睡眠の量とともに質も重要視するので・・
    ・睡眠時間は通常でも10時間以上が多く、シーズンオフは10時間睡眠をとった後のトレーニング後に昼寝2時間の計12時間で、1日の半分は寝ている。(大谷は小学生の頃から夜9時就寝、朝7時起床で10時間寝ていた)

    ・寝具も重要視して西川(株)で、体形測定、仰向けと横向きの寝方の両方対応のマットと枕の設計(大谷は頭に対して肩幅が大きいので難題。枕には標準の2倍の量の”詰め物”で大きくパンパンとのこと)
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    ・本拠地以外への移動時にも”専用枕”を持ち歩く。↓
    (大谷のインスタグラムからの孫引用..)
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    《食材重視》
    全ては体調をベストに、筋肉増強のために食事する。WBC開催中に大勢投手は大谷の様子を見ていて「おいしいものを食べるのではなく、自分のためになるものを食べていた」と証言している。
    それは管理栄養士に相談し、指導を受けているからで・・

    ・血液検査をした結果に基づいて、自分が食べなければいけないもの、食べていいものといけないものを決めている。・・その結果、嫌いだったトマトも食べるようになった。

    ・良質のたんぱく質摂取も重視する結果、肉類は”部位”を選び、『牛肉はフィレ、鶏肉はササミ、魚はサーモンか白身魚、ビタミンCは野菜からとる』(『』内はスポーツジャーナリスト古内義明氏談)
    トンカツは衣をはがして食べる。WBC開催中は毎食時にゆで卵3個を食べていた。(一時、意識的に”卵絶ち”したという情報もあるが・・)

    ・シビアな食材選択なので、自炊が多く、得意はパエリア。

    ・本拠地(ロスアンジェルス)でやむなく食べ物をデリバリーしてもらう際にも配達時刻を指定している。現地の和食店「鮨処 古都」のオーナーシェフ松木保雄氏は「大谷選手がピッチャーとして登板する場合は3時間前、登板しない場合は2時間前にもっていきました」と言う。
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    大谷の注文で多いのは「穴子丼」
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    《用具のこだわり》
    ・バットに関しては前述のように、グリップ部分から先すぐに太くなっていて球が当たる確率を高くしている。普通のバットはグリップ部分から先端に向けて徐々に太くなり”寸胴”部分は少なく、選手はバットの遠心力を利用して振るのだが、大谷は遠心力など利用しなくてもよいパワーがあるから、従来型バットは必要ないのだ。
    変更バット (以下写真4枚はテレビ番組「中山のイチバン」より)
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    ・スパイクシューズの金属スパイクを靴裏面から直接スッと飛び出させる形にした。従来品は靴裏面から突起部分(土台)をつくり、それに金属スパイクの根元が埋め込まれた形状になっているが、その突起部分があるために、大谷いわく「”立ち感”が悪い」のだそうで、この突起部分が無ければ足裏の力が地面に伝わりやすくなるという理由。

    スパイクの土台部分を無くした
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    ・グローブは機能的には不具合はないが、全体の形状は通常より大きくしている。理由は2塁走者から大谷のグローブの中の球の握り方(つまり球種)を盗み読まれないため。
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    ・手袋は、装着して手首を締めるための”マジックテープ”が付いたベロ部分の付け根が親指側にあるカタチにした。通常のようにベロ付け根が小指側にあると、バットを握った場合に小指側に隙間ができてしまって”大切な小指の力”が入らなくなるからという理由。
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    ※以上の用具改良は昨季までは日本の「アシックス」が担当していたが、今期からドイツの「ニューバランス」に変わったようだが用具はどうなるのだろうか?

    そしてメジャーリーグの中での行動において、意志や情報が間違いなく送受できるように優秀な通訳・水原一平氏を常に伴うのは、これも完璧さを求めるがゆえであることは言うまでもない。
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    大谷を形成する原点のようなものが彼の高校1年生の時に作製したある図表にあることと、これに関連した別の図表について、それに渡米前に読み込んだ本に関連したお話は次回にいたします
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