徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2022年12月

    前々回にカナ点字、前回に漢点字などを主にとりあげましたが、今回は・・

    ◎色々なモノ、所に点字が・・

    ・シート状媒体(紙、プラスチック、アルミなど)に・・
    (A)点字(凸点)のみ表記・・表と裏の両面に表記もある

    (A1)従来型の点字・・裏から突かれて出来る凸点

    (A2)特殊加工紙で浮き出させた点字・・熱を受けると発泡して立体になる素材をコーティングした特殊紙を利用して専用プリンターで出来る凸点。この場合、面的加熱して地図などの立体図も出せる。

    点字と立体(輪郭)地図を組み合わせた例 ((株)アメディアのHPより)
    3d-printed-map

    (B)墨字(印刷)と一緒に点字も併記

    (B1)墨字印刷面の裏から点字型を押し出して
    墨字も点字も両方が読める・・これも両面表記がある

     (B2) 墨字印刷面の上に透明プラスチックの
    凸型点字を付着させて墨字も点字も両方が読める

    ↓(B2)の例・・一見すると普通の紙の印刷パンフレットだが・・
    tenji-pamph2 (3)
    ↓上写真の部分拡大(あえて透明点字に影がつくように光を当てて凸点の存在が見えるようにした状態)
    tenji-pamph1 (2)
    (富士通(株)総合デザインセンター発行物)

    ・公共の場所、設備・・トイレ、エレベーター操作部、駅階段手摺などに
    エレベーターの点字例
    elevator-tenji1

    elevator-tenji2

    ・アルコール飲料(ビール、発泡酒など)缶の天面
    beer-can-tenji (2)

    ・その他、一部の家電製品の操作部に点字併記、などがある。

    ◎意外に多い点字関連ソフトや機器
    現在の日本で点字を読める人が約3万人と決して多くはないが、マイノリティも大切にするばかりでなく、点字の良さも生かそうとして、点字の作成と判読に関しての多様な機器が出現している。
    例えば、視覚障がい者が文章やメモを作成する場合に自分の声で入力する方法は楽であるが、その場合に”しゃべる内容が周囲に漏れてしまう”あるいは”しゃべる声が周囲には騒音・雑音になってしまう”ことがあるという欠点を生じるが、”無声で点字入力”すればそれを回避できる。そこで便利なのが・・

    ・小型点字メモ機「オービット」9万8千円(福祉用品なので非課税)
     上のボタンで入力して下の窓に20文字分の点字(8点式)が出る
    tenji-memoki

    その他、点字関連ソフトや機器は多い。
    ・点字変換ソフト・・ワード、一太郎などの文字をテキストデータ化して点字用に変換するソフト。
    ・自動点訳機・・上記のようなソフトを内蔵して、本やデータから点字を作る。
    ・点字プリンター(86万3千円)・・ハンマーソレノイドによるインパクト印字(電流が流れると棒が飛び出して、その先端が紙を突いて凸点を作る)
    点字プリンターの一例
    tenji-printer2

    ※点字関連ソフトや機器の詳しい情報や視覚障がい関連の最新情報無料メルマガ申し込みは・・
    (株)アメディア社のホームページ

    (有)エクストラのホームページ

    ◎糖尿病から失明する人も多い
    糖尿病が原因で起きる視力障害が「糖尿病網膜症」。

    ※下記データは日本眼科医会や厚生労働省などの間では数値に大きく差異があるので混乱しますが、糖尿病患者も糖尿病網膜症患者も多いということです。・・一応数字をあげると・・

    ・糖尿病患者数・・1000万人(他データで1620万人や2000万人)
    ・現在日本の「糖尿病網膜症」者数・・140万人(他データで300万人)

    日本の「中途失明」など後天的視覚障がいの発症原因トップスリー
    (厚生労働省 平成28年)
     1位:緑内障:28.6 %
     2位:網膜色素変性:14.0 %
     3位:糖尿病網膜症:12.8 %

    ◎中高年齢で「糖尿病網膜症」発症では点字は無理?!
    実は、前述の” 後天的視覚障がいの発症原因”は” 50,60才代に限れば糖尿病網膜症が1位”であり、それでは歳をとってから視覚障がい状態になって、いざ点字を習得しようとしても、指先の皮膚は硬くて感覚は鈍くなっていて、しかも新しく学習する能力も減退しているので、それは無理なことが多い。

    ◎「すこやか食生活協会」の理事長の要望は・・
    正確には公益財団法人「すこやか食生活協会」と称する組織の以前の名称は「視覚障害者食生活改善協会」(所在地:東京都中央区日本橋本町)であり、視覚障がい者を対象とした食生活に関する各種情報提供や社会への提案などを行ってきたが平成12年に名称変更するとともに対象を視覚障がい者のみならず各種身体機能が減退したシニアにも広げた。

    今から20数年前でまだ「視覚障害者食生活改善協会」と称していた頃に、私はこの協会から何度か呼ばれて伺ったことがありますが、この法人の母体は厚生労働省と農林水産省であり、ここの理事長(推定60才以上)はそのどちらかの省の元高級官吏であったに違いないが、当時の理事長は”眼が不自由”であり、(失礼ながら私の推察では)糖尿病網膜症だったのではないかと思えた。

    ある時、この理事長から「我々視覚障がい者は、加熱調理をする時には”炎の出るガスコンロ”などが苦手だから電子レンジは大変重宝しているけれど、加熱時間設定などの操作の際に音声案内が是非欲しいものです」という要望が出された。

    それはごもっともな事で、点字判読ができない人向けだけではなく、”加熱時間”を例えば1分20秒など細かい設定をしたい場合、視覚障がい者にとっては音声告示が最も便利。これは電子レンジのメーカーにとっても都合が良く、なぜならば機器の表面には点字を並べるスペースが確保できないから。
    その後、”音声案内付き電子レンジ”は市場に出たのだろうか。

    ◎やはり”音声(聴覚)”による情報伝達は頼りになる
    前述の電子レンジの例のように、点字が読めない人に対してはもちろん、情報伝達をするには点字では対応できない場合なども、年齢に関係なく点字よりも音声情報が便利なことは間違いない・・ということで、身近な機器から街なかや交通関連施設・設備などに音声情報提供の例は多い。

    横断歩道の青信号時メロディ、駅構内の階段・エスカレーター存在位置案内メロディなどの他に・・

    ・「コード化点字ブロック」(W&Mシステムズ合同会社)
    既設の点字ブロックを活用して音声案内発信機能を付加したもので、アプリをインストールしたスマホのカメラをかざすと、現在地や周辺の情報などを多言語で音声案内。視覚障がい者のみならず外国人(インバウンド)観光客にも便利。
    tenji-invi-block

    ・「快速よむべえ」((株)アメディア)26万円、モニター無し22万8千円、読み上げのみ19万8千円
    カメラ部で本や印刷物を読み取り、音声で読み上げ、文字は拡大してモニター画面に表示する読書機。
    請求書、レシート、銀行通帳も読める。日本語、英語、中国語、ハングル対応。
    ↓この写真ではこの機器セットの中心となる筐体はモニター裏面に接置して隠れている。 
    yomubei

    その他の製品には・・
    ・パソコン画面の音声化ソフト・・電子メールまでも読みあげるタイプがある。
    ・音声読み上げ式各種測定機器・・キッチンスケール、体重計、血圧計など。
    ・音声ガイド地図
    ・視覚障がい者向けGPS歩行支援システム

    ◎視覚障害がい者への”点字、音声以外の伝達手段”
    ・切り欠き付き各種カード・・各種カードの種別が触るだけで区別できるようにカードの縁を切り欠いたもので・・テレホンカードは半円、交通系は三角、買い物系は四角の切り欠きを基本とすることがJISにも規定されている。
    ↓切り欠き3種(E&Cプロジェクト作成)
    card-cut

    ・触読式腕時計・・腕時計表面の透明蓋を跳ね上げて文字盤の凸文字を指で感知する
    シチズン、セイコー、(1万4千円・非課税)、GRUS(オープン価格) (写真はアメディア社のHPより)
    tenji-watch2

    ・振動コンパス(iphone対応)・・スマホが北を向くと振動する。
    (写真はアメディア社のHPより)
    vibra-compass

    ◎シャンプー容器とポンプノブ天面のギザギザは・・
    現在、シャンプー容器の横腹部またはポンプ容器のプッシュノブ天面にはギザギザが施されていて、
    視覚障がい者はもちろん、晴眼者も洗髪時には(たいてい)目をつぶるので”一時的視覚障がい者”になるために、手探りでシャンプーと(ギザギザが付いていない)リンス(コンディショナー)は区別できる。この”ギザギザ付け”は1991(平成3)年に花王が発案して採用開始したが、他社にも同様のギザギザを施して統一することを提案した結果、現在各社製品に採用されている。
    ↓花王のHPより
    kaoh-gizagiza
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    その他、国政選挙などでは点字による投票ができることになっていますが、これを含めたユニバーサルデザイン関連については、また後日にとりあげます。
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    文学の素養など無い私でさえ、最近の我が国における”言葉の使われ方”、”イントネーション”、”発音”などで気になることがある。しかしながら、”言葉は生き物”と言われ、例えば”独壇場”は元の読みは「どくせんじょう」だったのが今やすっかり「どくだんじょう」の独壇場!?。このように今は気になってもやがてそれが標準になるかも知れないのだが・・

    ◎「緊張感をもって」、「スピード感をもって」は ずるい!
    つい最近のこと、国会の参議院本会議中に居眠りした某大臣、野党から責められてのおかしな釈明内容だったが、最後に「今後はそのようなことが無いよう、緊張感をもって審議に臨みたい」と述べた。

    元々この大臣の行為は言うまでもなく責められるべきものだが、ここで私が問題にするのは・・
    「緊張感をもって」という部分である。この「〇〇感をもって」という表現は他にも(首相もよく使われる)「スピード感をもって」というものもある。

    prdt-kisida
    画像は「TBS NEWS DIG」より引用

    この「〇〇感をもって」という表現の” 〇〇感”というものは、その言葉を発した個人のあくまでも”主観的な感じ”なのであり、ゆえにその人が”緊張感をもって”あるいは” スピード感をもって”行動・対処する(した)様が、他人あるいは社会からみて一般的、客観的には”緊張して事にあたっているとは言えない”あるいは”迅速な行動とは言えない”として責められても、その弁解で「私(の中で)は緊張感(スピード感)をもって行動しました」と言って逃げることができるずるい表現だ。

    これだから「〇〇感をもって」という表現は”言うだけ”、”言っておく”だけの便利な道具にもなっているようだ。

    やはり、「緊張感をもって」と言わずに「気を引き締めて」あるいは「真剣に」など、そして「スピード感をもって」ではなく「スピーディーに」、「迅速に」、「早急に」と言うほうが(これらもまだ曖昧と言えば曖昧だが)ベターだろう。(大臣たちの発言、答弁の多くは官僚が作成した原稿の読み上げと言われるが、やはり最終的な責任は発言者にあるのは言うまでもないが・・)

    ◎”20”の読み方のイントネーションには従来とはちがったものが出てきている
    同じ”20”でも、その後に付く数詞によってそのイントネーションが異なり、「20才」、「20数人」ではそれぞれ異なる定番のイントネーションがある。(ただし東京圏の標準語以外については分かりませんが)・・では数詞をつけず単に”20”だけを発音するとどうか、我々シニア世代は前記の「20数人」の場合の”20”と同じイントネーション、つまり”に”の高さから少し下げて”じゅ”さらに少し下げて”う”という音程で発音してきた。(音程を折れ線グラフにすれば”右肩下がり”)

    ところが近年、若者(と言っても現在40才代前半の我が息子も入る)は”にじゅう”の”に”より”じゅう”を高くして、つぎの”う”を”あたまの”に”と同じ高さに戻すという音程で発音する。(音程を折れ線グラフにすれば”山型”)

    この”20”の新たな発音イントネーションに対してシニア世代は違和感(気持ち悪さ)をおぼえるが、なんとNHKの若手アナウンサーも使っている状況だから今後はこれが主流になるのか?

    最近のNHKのニュースの一部はAIによる自動音声を使っていて、確かに進歩して人間のナマの声とほぼ同じように聞こえ、イントネーションも自然になっているが、”20”に関してのイントネーションの使い分けは、さてどうなっているのか? 私はまだ確認できていないが・・。

    ここで思い返せば、我々の若い頃、それまでオーディオの”アンプ”のイントネーションは”ア”から下がり”ン”さらに下がって”プ” (音程を折れ線グラフにすれば”右肩下がり”)だったのが、1965(昭和40)年頃には”ア”から”プ”まで抑揚無し(音程を折れ線グラフにすれば”水平”)にして発音していたし、

    同時期、同様に”ギター”もそれまでのイントネーションが折れ線グラフにすれば”右肩下がり”だったものを折れ線グラフにすれば”水平”に発音し始めていたから文句は言えないか・・。

    ◎”ら”抜き言葉や形容詞誤用をテロップでは・・
    例えば、従来なら「見られる」と言っていたものを今や「見れる」と言って、いわゆる”ら”抜き言葉を使う(助動詞の誤用)人が非常に多い。しかしテレビ各局では、ある人が”ら”抜き言葉を使ってもテロップには”ら”を入れて画面に流している。

    他にも、多い例が「すごいきれい」、「すごい感動した」という表現。本来なら「すごく」という副詞を使うところが形容詞になっている。この場合もテレビ画面には副詞に換えたテロップが流れている。

    しかし”ら抜き言葉の使用”とこの“形容詞誤用”の双方とも意味は十分通じてしまうから、将来もこの流れは続いて定着するのだろう。テレビなどのテロップも変わるのだろうか?

    ◎鼻濁音を使ってやわらかな表現をする人たち
    鼻濁音とはどんなものなのか説明すると長くなるのですが、実例として分かりやすいのは、「が」という音が”言葉のアタマ(先頭)ではなく途中にきた場合”と”助詞として使われる場合”に、「が」を鼻に抜けるようにして「が」のように発音するもの。これによって話し言葉全体がやわらかい感じになる。

    鼻濁音について少し詳しくは私の過去のブログ(2018.8.18発信)の後半部分を参照ください

    かつて国民的歌手の美空ひばりは鼻濁音を顕著に使った。

    美空ひばり 切手(1997=平成9年発行:日本郵便HPより)
    misora-hibari

    しかし、現在は鼻濁音を聞くことが少なくなっている中で、私は最近のテレビ放送の中に鼻濁音を目立って使っている人を二人見つけていて、その一人が・・

    北條真紀子さん(1972=昭和47年生まれ):24時間テレビ通販番組「ショップチャンネル」のキャスト(商品紹介説明員)。同チャンネルには29人のキャストがいて、中には”言葉を畳みかけるようにガンガン連射する”人もいるが、北條さんは「北條節」とまで称される”極めて心地よい語り”をする人。これには鼻濁音を豊富に使っていることの影響も大きい。

    北條真紀子(「ショップチャンネル」HPより)
    houjyou-m

    この人、実は「ショップチャンネル」の社員ではなく、某派遣会社からの派遣員だが、2001年28才からこの仕事に従事して21年、その魅力の”語り方”にファンも多くて、休暇などで番組への登場がちょっとでも途切れると、ファンからこの番組主体のジュピターショップチャンネル社に問い合わせがあるくらいの人気。

    以前は昼間時間帯にも出ていたが、看板キャストだけに、”テレビ通販のゴールデンタイムである午前0時~2時”の担当が主になったようなので、私も最近は顔を見ることが殆どなくなっている。    

    そしてもう一人が・・

    ホラン千秋(1988=昭和63年生まれ。父はアイルランド人、母は日本人):タレントであり、現在TBS系の夕方の報道番組「Nスタ」のキャスターも担当しているが、この人の鼻濁音も顕著。

    ホラン千秋(TBS「Nスタ」テレビ画面より)
    tiaki-horan (2)

    国際結婚した母親が、我が子には鼻濁音を使うやわらかな良き日本語を意識的に教えたのであろうと、私は想像している。

    しかし、この鼻濁音というものも消滅に向かうのだろうか?
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    以上、最近の日本語で私が気になる”表現”をあげてみました。
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