徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2022年06月

    ◎きのうの友はきょうの敵
    現在、ポーランドはロシアと戦うウクライナ支援をしているので間接的にはロシアに敵対しているようなもの。しかしロシアがソ連(ロシア・ソビエト連邦社会主義共和国)だった時代の1957年10月4日に人類初の人工衛星「スプートニク1号」打ち上げに成功して以降、矢継ぎ早に打ち上げられた草創期に、それを讃えるようにポーランドはソ連の人工衛星図柄の切手を発行していた。それを思うとなにやら「きのうの友はきょうの敵」のような感じですが・・
    polska

    ◎「ソ連の衛星国」という立場や「ワルシャワ条約機構」が影響?
    実は、同様に”ソ連の人工衛星を讃えた切手”を発行した国々が他にもあった。それが何か国にのぼったのか正確には知りませんが、少なくとも私が当時集めた切手から分かることは・・

    ポーランド以外では・・ハンガリー、チェコスロバキア、東ドイツ、北朝鮮

    ↓ハンガリー(切手での国名表記は”マジャール人の国”として「MAGYAR」)
      (上の切手はソ連の国旗まで表記)
    magyar1
    (下の3枚は人類初の有人宇宙飛行にソ連のボストーク1号に乗って成功したガガーリンとボストーク3,4,5,6号:1966年12月29日の発行切手)(画像3枚はヤフオクより引用)
    gagalin


    magyar-posta

    ↓チェコスロバキア(チェコとスロバキアに分離する前)
    cesko

    ↓東ドイツ(人類初衛星成功の1957年10月4日の日付も右下に明記)
    east-germany

    ↓北朝鮮(ロケットの横腹にはソ連を表すCCCP表記。上はソ連のガガーリン)
    kitacyosen

    これらの国の内、北朝鮮以外は「ソ連の衛星国」と言われ、かつ「ワルシャワ条約機構」の加盟国だったという共通の立場だったのです。(他に「コメコン」=経済相互援助会議という組織もあったが実際には機能しなかった)

    ◎「ソ連の衛星国」とは・・
    まず「衛星国」とは、”一応は独立国家でありながら、大国によって主権を制限されて従属的な国”。
    「ソ連の衛星国」はポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、東ドイツ、ブルガリア、ルーマニア、アルバニア、モンゴル。

    ◎「ワルシャワ条約機構」とは・・
    ”平和と社会主義のための、友好・協力・相互援助に基づく軍事同盟”
    で、ポーランドの首都ワルシャワで調印された故の名称だが本部はモスクワにあった。ワルシャワ条約機構加盟国は、盟主であるソ連、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、東ドイツ、ブルガリア、ルーマニア、アルバニア。

    「ワルシャワ条約機構」成立に先立つ1949年4月4日に自由主義国間に「北大西洋条約機構」(NATO)が発足したことへの対抗は明らかだが、「ワルシャワ条約機構」の実際の機能は、同盟国=衛星国から抜け出そうとして事件や動乱が起きた国に対してこれをソ連を主体とした武力で鎮圧して離脱阻止するものだった。

    この機構は1955.5.14から1991.7.1まで存続した。(ソ連の正式な崩壊は1991.12.26)

    ということは・・この機構が発足して間もない2年後にソ連による人類初の人工衛星打ち上げが成功したことになり、これは社会主義体制の優秀さの表れであるとして喜び、機構加盟国にとってはまさに”同慶の至り”ゆえに、祝いの切手を発行したのか、それとも”親分”への忖度だったのか?。

    ◎かつてソ連の衛星国で現在はNATOとEU加盟の国
    1991年のソ連崩壊以降、ソ連に従属することから転向してNATOとEUに加盟した国は・・
    チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロバキア、ルーマニア、ブルガリア。アルバニアはNATO加盟だがEUには未加入。

    ◎「トゥヴァ」(または「タンヌ・トゥヴァ」)という国をご存知?
    私が小学生の頃、収集した切手の中に”菱形”の珍しい1枚があって、それには「POSTA TOUVA」という表記があり、切手情報誌によれば「タンヌ・トーバ」(現在の一般表記と少し違うが)というモンゴルに接する国が発行したものと分かった。
    今回、調べ直したら、「トゥヴァ」はモンゴル北西部に接する国で1921年に「トゥヴァ人民共和国」(それを表記すると「タンヌ・トゥヴァ」)として独立。しかしこの国はソ連による傀儡国であり、世界ではソ連とモンゴルのみが国として承認したものだったので1944年にはソ連に併合された。その後1991年のソ連崩壊後に独立権を得たが、他の衛星国と呼ばれた国々と異なり、新しい「ロシア連邦」の一員となる路を選んで「トゥヴァ共和国」として存在している。
    touva

    上の菱形切手は「トゥヴァ人民共和国」時代に1926年から1936年の間に発行されたもの。

    ◎ソ連の人類初人工衛星の成功記念切手を私はもってないが・・
    他の初期の衛星切手とともに「ツィオルコフスキー」を讃える切手がある。ツィオルコフスキー(1857~1935)はロシア帝国時代からソ連に至る時期に存在した物理学者、数学者、SF作家であり、ロケットの基礎理論を産み、人工衛星登場を予測したりで「宇宙飛行の父」と呼ばれた人物。
    ↓ツィオルコフスキー、ロケット、人工衛星のソ連発行切手
    tiorkovsky
    cccp
    ・・・・・・・・・・・・
    余談ですが、私が外国の歴史的事件発生を年月日まで覚えているのは、ソ連が人類初の人工衛星打ち上げに成功した1957年10月4日の他はフランス革命が始まったとされる1789年7月14日と米国が英国からの独立を宣言した1776年7月4日ぐらいで、それくらいに私の中では人工衛星登場が衝撃的だったのです。
    ・・・・・・・・・・・・

    世の為、人の為になるモノが多い中で、その”良さ”を誰もが享受できることにはならないモノがあるということを、私の身の回りで実際におきた例の中からご紹介!
    131-head

    ◎「節水シャワーヘッド」が使えないマンションがある!
    “従来型に比べて節水が出来る”とうたって数社から出ているシャワーヘッドは、従来品よりも水の出口の穴が細かくしかし穴の数は多いという仕様で、結果として少ない水量でシャワー感がえられるが、そのためにはシャワーヘッドへの水圧が確保されないと“いわゆるシャワーのような水(湯)”の勢いの出方にならない。

    水圧は一般の戸建て住宅など地中水道管からの直結配管給水では問題ないが、マンションなど集合住宅内の各戸への給水方式は不足する場合が多く、屋上に在る高置き水槽(給水タンク)から各戸に配水する旧来の方式では(節水シャワーヘッド用の)水圧確保できる場合もあるが、近年普及している「直結給水方式」は受水槽使わずにポンプで加圧して各戸へ直接給水するもので、水圧確保に至らない状態が多く、その場合はシャワーの勢いの水(湯)が出なくなる。

    下図左の受水槽式の場合、地上又は地下に大きな受水槽を設けて屋上の高置水槽は極小さいものであり、昔は地上などの受水槽などが無いので屋上の高置水槽が大きい必要があった。(図は建築ライター/エディターの加藤純 氏のブログより)

    jyusuisou

    また、エコキュートなど”電気温水器による温水を保温貯湯したタンクからの給水”も水圧が不足して節水シャワーヘッドが不適合の場合がある。これはつまり、戸建てでもオール電化マンションでも起こりうるということになる。

    マンションに住む息子の家庭ではシャワーをよく使うというので、私どもが節水シャワーヘッドをプレゼントしたら、水圧確保できていないらしく「使い物にならない!」と言うので、結局我が家が引き取り、戸建てだがエコキュートを使っているものの、シャワー時には混合栓使用で普通の水道水と混合して使っているので水圧確保されているためか、不具合無く機能を発揮している。

    これが現在の我が家の節水シャワーヘッド
    shower-head (2)

    ◎「タンクレストイレ」がマンションによっては使えない
    各社のタンクレストイレ(左から、Panasonic/LIXIL/TOTO)
    3tankless

    タンクレストイレとは、水洗トイレにおいて、従来は便器に流すための水の大きな貯水タンクが存在していたが、これを無くして直接水道水を便器に流すもので、従来便器では1回当たり平均13リットルの水使用が約4リットルで済み大幅に節水となる。しかしこれも先述の節水シャワーヘッドの例に同じく水道の水圧が必要で、やはり戸建て住宅(2階建て以下)における採用に支障はないが、マンションなどの集合住宅では使えないケースが発生することがある。

    当然タンクレストイレのメーカーはこの水圧問題を承知しているので、使用には指定水圧以上を必要条件として明示している。しかしこれではタンクレストイレの拡販・普及が伸び悩むので、タンクレスと称するものの便器の一部に小さなタンクと加圧ポンプを内蔵して、やや水圧不足の水道水直接流と同時併用して問題解決した商品も登場している。

    併用方式例(TOTO)
    hi-brid

    私の別の息子宅もマンションだが数年前、トイレ改装するにあたってタンクレストイレに換えようとしたが、リフォーム業者の水圧計測器で水道水の水圧不足という結果が出て不採用となってしまった。当時は前述のような”小タンク・加圧ポンプ内蔵型”は無かった。

    ◎「骨伝導式補聴器」でも高齢者には効果なし!
    ヒトが音を受け取る最終器官は内耳に在るカタツムリ型をした「蝸牛」という部分で、そこから聴覚神経を通じて脳で感知する。

    音が蝸牛に達する経路は3種あり・・

    (1)”耳の穴から入って鼓膜、3つの小さな骨を介して蝸牛に到達”(その場合の音=気導音) 

    (2)“頭蓋骨(および若干の皮膚)の振動が直接蝸牛に到達” (その場合の音=骨導音) 

    (3)前記(1)(2)の両方による到達。

    “難聴”には3種あり・・

    (A)「伝音性難聴」・・上記(1)の気導音の伝達途中で何らかの障害 (例えば鼓膜破れや中耳炎など) があるもの

    (B)「感音性難聴」・・蝸牛や聴覚神経の機能障害による難聴 

    (C)「混合性難聴」・・(A)(B)の両方による難聴。

    高齢者の「老人性難聴」の原因は前記(B)又は(C)の部類だが、蝸牛や聴覚神経の機能障害と言うよりも”機能減衰”によるもの。

    そう言えば、難聴になったという高齢者を診てみたら、耳の奥に大きな耳垢の固まりが詰まっていることが原因だったということで、これは前記の「伝音性難聴」にあたりそうだが、そんな笑えない話を聞いたことがある!

    難聴に対して使われる補聴器には、一般に普及しているタイプの他に、「骨伝導式補聴器」があり、前記のように頭蓋骨を通じて骨導音を得るものだが、この補聴器が効果を発揮するのは(前記の) 「伝音性難聴」に対してのみなのであり、「老人性難聴」用として特に向いているわけではない。

    私の母も晩年には難聴が進んだので、私の自作のサテライトスピーカー(有線/2スピーカー)でテレビの音を耳の近くで聴いてもらえるようにしたりもした。

    自作サテライトスピーカー(下は100円硬貨)
    satelite-spkr (2)

    一方で耳栓型の補聴器も3種使ってもらったが、物理的に「うっとうしい」と言って拒否されるので、”耳がうっとうしくない” 骨伝導式補聴器を検討したものの、「老人性難聴」に特に向いているものではなく、しかも耳穴以外の頭部でうっとうしさが発生するということが分かったので結局は採用を断念した。

    眼鏡型「骨伝導式補聴器」(リオン(株)社製)
    rionetto-megane (3)

    近年、奈良県立医科大学が開発した「軟骨伝導型補聴器」がリヨン(株)から発売されている。これは拡大した音声の振動部分が耳の上部の軟骨の根元に当たるように置いて使用すれば、従来の骨伝導補聴器よりも音が伝わりやすくなっている。

    軟骨伝導型補聴器(リヨン(株)):右は装着状態
    nankotu-set

    ※「補聴器」と「集音器」がある!
    超高齢社会になって難聴者が多いので増えているのが「集音器」と称する機器。これもひろった音声を大きく聴けるものだが、その音質などの特性はメーカー側が設定した一方的なモノがほとんどの電気製品と言うべきもので誰でも簡単に買えるが、一方の補聴器は薬事法による管理医療器の認定を受けたものであり、指定医療機関を受診して、個人の難聴度とその原因などに合わせて機器特製が調整されたうえで購入できるものであり、この補聴器は医療機器承認番号が取得されたものとなる。当然補聴器は高額となる。例えば前出の軟骨伝導型補聴器(リヨン(株))は片耳当たり30万円。一方の集音器は5千円台からある。

    骨伝導式集音器(Bonein社製)
    kotudendou (2)

    ※通話用骨伝導器は軍隊などでは重要
    軍事用の通話はマイク付き骨伝導受話器で行い、あいている耳では各種警報や銃撃音などを確実に聞き取る方法が米国軍などでは多いそうだ。

    ※難聴のベートーベンもエジソンも骨伝導を利用していた!
    難聴になったベートーベンは指揮棒(タクト)を口にくわえて、その先端をピアノに押し付けて伝わってくる音が歯から頭骨に響くのを確かめながら作曲を続けたという話がある。

    少年期からすでに難聴だったエジソンはなぜか自分自身のためはおろか、補聴器の発明の依頼があっても実行しなかったが、自身は”音を発するモノ”に歯で噛んだ金属板の端を当てて伝わってくる音を頼りに実験をしたりしていたし、彼が愛用したピアノは歯を通しての音を聴くための歯型が残っていたそうだ。つまり二人とも骨伝導を利用していた。

    ・・・・・・・・・・・・

    このページのトップヘ