徒然G3(ツレヅレジイサン)日話秘話飛話

兼好法師ならぬ健康欲しい私がつれづれなるままに お伝えしたいこと綴ります。 時には秘話もあり!

    ジャンルは不特定で硬軟織り交ぜながら 皆様に何かお役に立てば幸いです

    2022年03月

    東西比較、今回は麺類に絞りました。"うどん"と"そば"は店や家庭で食べる場合も即席(インスタント)麺(カップ入り、袋入りなど)においても、関東と関西では自然条件と歴史文化条件がからんで、基礎的な相違があります。それらの原因は・・

    関東の自然水は「硬水」→この水を使うと「濃い口醤油」ができてしまう→麺類などのつゆは濃い茶色

    関西の自然水は「軟水」→この水を使うと「薄口醤油」ができてしまう→麺類などのつゆは薄い茶色

    但し、醤油の色の濃度は含有塩分とは反比例・・だから関西のつゆは色は薄いが塩味は薄くない

    塩分濃度:濃い口醤油=16% / 白醤油=17% / 薄口醤油=18%

    そして大阪は江戸時代に「天下の台所」と言われる中で、日本中の昆布の集散地であった影響で、食においても昆布が重用される→つゆには”昆布出汁”が多く使われる。その他”昆布じめの素材”、”昆布うどん”の存在などに表れている。

    ◎「うどん」と「そば」比較:東京/大阪/京都
    udonsoba1 (2)
    udonsoba2 (2)
    udonsoba3 (2)
    udonsoba4 (2)
    udonsoba5 (2)
    udonsoba6 (2)

    ※天かす(揚げ玉)ではなく油あげののった「たぬき(そば)」は兵庫県、奈良県、和歌山県にも有る。


    上の表では混乱してわかり難いが・・店によって下の3点があればの場合・・

    東京人が大阪で・・
    「きつねそば」を食べたいなら・・
    「たぬき(そば)」を注文すればよい。

    「たぬきうどん」を食べたいなら・・
    「ハイカラうどん」を注文すればよい。

    「たぬきそば」を食べたいなら・・
    「ハイカラそば」を注文すればよい。

    ※(後日追加文です→) 京都では「きつね(うどん)」には別呼称「信太(しのだ)」がある。
    「信太(しのだ)」の由来は・・平安時代の有名な陰陽師の安倍清明を産んだ母親は狐が化けた女であり、清明が成長したある日、「恋しくば 尋ね来てみよ 信太の森の うらみ葛の葉」と言い残して故郷の大阪・和泉の信太の森に帰ってしまった・・という実話とは到底思えない言い伝えだが京都には残っているからである。(京都の文化に詳しい英学=はなぶさ・がく さんのお話から抜粋)

    ◎麺類における東西分岐線(「どん兵衛」の例)
    日本の中で東西を分ける方法・事例はあまたある中で、麺類の食べられ方でみればどうなるか・・カップ麺の「どん兵衛」の開発担当者が各地の麺類を調査した結果、大まかには関ケ原を境に傾向が分かれることを発見したそうで、その結果「どん兵衛」の販売エリアを2分して表したのが下図。(日清食品のHPより)
    donbei2

    ◎即席カップ麺の仕向け地別比較
    cup-men1 (2)

    cup-men2 (2)

    cup-men3 (2)
    cup-men4 (2)
    cup-men5 (2)
    cup-men6 (2)
    cup-men7 (2)
    cup-men8 (2)


    ↓北海道向けの容器ふたには北海道の地形図が・・
    donbei-hokkai
         ( ↑北方四島も描いて北海道民の心情までを考慮したマーケティング!)
    akai-kitune-hokkai
    ◎ラーメンの2大分類・・汁が茶色か白か
    raamen1 (2)

    ・・・・・・・・・・・・

    3月3日の”ひな祭り”で、子供たちが食べる「ひなあられ」 は東西で形と味が異なるそうで、現在の勢力比は、東型7割、西型3割とのこと。

    ↓「ひなあられ」:上が関西風、下が関東風(「とよす株式会社」HPより)
    toyosu-hina
    kanto-hina

    ということでちなみに今回は「食」に関しての東西の違いをあげてみます。
    (「食」以外のジャンルについては、別の回にて とりあげます)

    ◎東西の「食」関連のちがい
    hyou1 (2)
    hyou2 (2)
    hyou3a (2)
    tamagoyakipng (2)
    hyou5 (2)
    hyou6 (2)
    hyou7 (2)
    hyou8 (2)

    ・「ひなあられ」は、東西の中間の岐阜・愛知県では”マヨネーズ味あられ”も食べられている。

    ・「正月のお雑煮」については、皇室は過去1000年以上京都に在住していたという歴史の影響で、現在でも”丸餅・白味噌仕立て”を踏襲。

    ・「角砂糖」の大きさについては、従来からの説では”関西のコーヒーが濃いから、それに合わせて砂糖の量が多い”というもの。
    但し、コーヒーの消費量日本一は京都府であるものの大阪府のそれは少なく、なんと東の東京都とほぼ同じというのが現状。消費量とコーヒー濃度の関係を知りたいところ。

    ・「納豆」の消費量の東高西低傾向も近年は差が縮んでいると言われる背景には、例えば大阪でも新興団地・住宅地には関東地方からの移住者や勤務者も多く住んでいるので、この人たちからの需要があることに加えて、納豆メーカーが”納豆特有のニオイを抑えた商品”を開発して販売していることも影響。

    納豆消費が少ない西日本だが、九州の一部(大分県、熊本県)は例外的に消費が多い。

    その理由は(私が2020年9月3日に発信したブログ「納豆は戦争とともに」の中で述べましたように)平安末期の東北地方で起こった「前九年・後三年の役」の結果、安倍貞任の弟である宗任が九州に流されて、そこで故郷の東北の納豆の製法を広めたことに起因する。

    このような例外は少なからずあり、牛肉消費は西高東低の中に在って、山形県(米沢牛が有名)だけは消費が
    関西並みであり東北地方の中では突出している。

    ◎大阪・関西に有り、東京・関東に無い(又は殆ど無い)食関連
    osaka-only (2)
    osaka-only2 (2)
    ※昆布うどん:とろろ昆布をトッピングしたもので、大阪にはあって、東京には殆ど無い

    ↓「コロ」はクジラの黒皮が付いている(乾燥から戻した状態)

    (「関太郎のくじら専門店」の通販頁より)
    koro

    ↓「さえずり」 
    (「関太郎のくじら専門店」の通販頁より)
    saezuri

    ↓「くじらすじ」 
     (「下関なると」社の通販頁より)
    suji (2)

    ・「おでんの具」での”すじはすじでも”「牛すじ」は東西双方にある。
     大阪・関西はこのように動物系の具が多いために、おでんの汁が濁るところは、澄んでいる東京・関東と違うところ。
    ・・・・・・・・・・・・・

    このページのトップヘ