東京オリンピック・パラリンピック2020の国立競技場では設計段階から聖火台設置は考慮されず、開会式には、野村萬斎氏提示のコンセプトである”太陽”に基づいて、海外でも有名な佐藤オオキ氏がデザインした聖火を富士山をイメージした台の頂上に置いて、あたかも”ダイヤモンド富士”のようなものになった。そして大坂なおみが点火したその聖火も式典終了と共に消え、受け継がれた種火は、東京都江東区の「夢の大橋」(有明エリアとお台場エリアをつなぐ歩行者専用橋)のたもとに設けられた小型聖火台に移されて点火された。
↓国立競技場での聖火(写真はロイター/アフロより引用)
↓「夢の大橋」たもとの第2聖火
◎違和感のある炎
この二カ所での聖火の”炎”のカタチ(出方)は、過去に世界の各都市(前回の東京を含む)で行われた大会での聖火とは違うことに気づかれた方も多いのではないだろうか。
今回は”炎がボーっと勢いよく天に向かって細めに伸びて燃える”「硬い炎」状態であり、従来の聖火の”メラメラと燃え、時には横にもなびくような「柔らかい炎」”ではない。"メラメラ(あるいはユラユラ)の炎”は人類が何万年も見つめてきたものであり、しかも炎には”1/f(えふぶんのいち)ゆらぎ”があるので癒し効果があるとされる。
“1/fゆらぎ”とは、音や光、振動などに含まれる特定のリズムで、”川のせせらぎ””ロウソクの炎”などにも在るとされ、それは人間が本来持っているリズムと共鳴するので、我々は本能的に快感、快適を感じられるものだそうだ。それに対して今大会の聖火の炎には”見ていて、気持ち良さが無い”。それで思い出したが、中南米発祥の音楽レゲエは人間が普通に歩くテンポに同調しているから気持ち良いという話を聞いたことがある。
↓キャンプファイヤーの火
◎東京2020の聖火は水素ガスの火
世は「SDGs」大切の流れ。それで聖火も”燃焼してCO2を出さない水素”が使われている。ただし、水素の炎は無色透明なので、炭酸ナトリウムを添加してその炎色反応でオレンジ色にしているそうだ。これには石油会社のエネオス(株)が液体水素提供していると宣伝している。なるほどしかし水素を使えばその燃焼は急激と言うか爆発的であるから、炎はゆっくりメラメラとはいかないのは容易に想像できるというもの。それで、水素の燃焼を緩やかにする努力はされたのではないかとは思えるが、結果は、気持ちよく感じない炎。
◎”以前の良さを捨てない”のが"求められる進歩"
今回のように、”持続可能な環境のために水素燃焼しているものの,気持ちよくない炎”というのは、”CDの音とアナログレコードの音””半導体(トランジスタやIC)アンプの音と真空管アンプの音””窓の開かない新幹線などと窓開く昔の車両””オートマ車と比べるとアクセルとブレーキ踏み間違えによる事故が起こりにくいマニュアル車”などに現れているような”新しく便利になったが以前の良い部分が消えている”ケースに似ている。特に今大会の聖火の例の解決には「感性工学」すなわち”人間の感性という主観的で論理的に説明しにくい反応を科学的手法で分析して活用する技術”を応用する必要があるのかも知れません。
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私が炎についてウルサイのは、子供の頃は"薪を燃やしてお湯をわかす風呂"だったため、薪をくべて燃やす当番も多く、燃える炎をさんざん見つめていたことが影響しているのでしょう。ちなみに薪割りも同様に多くやり、しかも風呂は井戸水使用だったので手押しポンプ操作運動も頻繁に行いました。
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私が炎についてウルサイのは、子供の頃は"薪を燃やしてお湯をわかす風呂"だったため、薪をくべて燃やす当番も多く、燃える炎をさんざん見つめていたことが影響しているのでしょう。ちなみに薪割りも同様に多くやり、しかも風呂は井戸水使用だったので手押しポンプ操作運動も頻繁に行いました。
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