我が家の遅咲きの梅がやっと満開して散り始めた昨日は東日本大震災発生10年目の3月11日。なんとこの日に今年全国最初の桜の開花が広島で見られたとのことで、今回は急遽、梅と桜にちなんだ内容にしました。
◎「源平咲き」の梅!
「源平咲き」は、本来はピンクの花が咲く木の一部に、色素がうまく出なくて白い花が出現してしまう現象。(話は飛びますが、シマウマの元は黒馬だったのが白い筋模様が後から出たのだそうです)
ごく一部に”白梅に紅梅を接ぎ木した「二色咲き」”の人工モノがあるそうですが、我が家の梅は自然モノです。
「源平咲き」は梅に多いが、それ以外では・・桃、椿、ツツジにもある。
◎「源平咲き」という言葉の由来
平安時代終末期の源氏と平家の戦い※において、旗印として源氏は白旗、平家は赤旗(紅旗)を使ったところから、日本における”競い””戦い”あるいは”対抗”の場では両者の一方には赤が、他方には白を印として使うようになり、運動会ではリバーシブルの赤白帽子、ハチマキが使われ、紅白歌合戦も関連する。
※近年の解釈では、一連の戦いをまとめて「源平の合戦」と称するのは不適当とのこと
◎「源平」と名の付く料理、菓子
源平の紅白に因んで、”紅白の食材のみならず二色の食材を使った料理”、または”同じ食材を二色に仕上げた料理や菓子”を「源平○○」と称するモノも多い。例えば・・
「源平揚げ」:同じ食材を赤と白、または黒と白などの二色の組み合わせになるような揚げ物料理。
「源平焼き」:同じ食材を明確な二色の対比を成すようにした焼物料理。
「源平なます」:白い大根と赤い(実際はバーミリオン色だが)人参の二色が対比した料理。
「源平作り」:白いイカと赤いマグロの刺身の組み合わせ。
※ただし、これらは源平の”争い”につながるために祝儀料理の場合には、「紅白○○」や「二色○○」などの別称を使う。
「源平餅」:白と赤(ピンク)の餅の組み合わせの菓子。
↓ずばりの店名「吉岡源平餅本舗」(香川県高松市)の源平餅
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◎時間とともに色変わりする花
「源平咲き」は咲き始めの最初から紅白の花がそれぞれ混在しているのに対して、時間とともに花が、ある色から違う色に変化する植物がある。例えば・・
「酔芙蓉(スイフヨウ)」:これは下の画像のように、花径約10~12cmの花が、朝は白いが夕方には赤に近いピンクに変化する。名の由来は勿論、酒に酔って顔が赤くなる様子に例えたから。(開花は8月から9月)
「ハコネウツギ」:初めは花が白いが数日かけて濃いピンクに変化。多数の花はそれぞれに開花開始がズレるので、全体ではまだ白い花とピンクに進んだ花が混在するようになる。そこで一見すると紅白同時開花に見えるところから、まれに「ゲンペイウツギ」とも呼ばれる。(開花は5月から6月。 花の大きさは左の私の指と比較して下さい)
「ニオイバンマツリ」:花は紫色から白へと変化。(開花は4月から7月)
↓(画像は「NHKみんなの趣味の園芸」より引用)
「スイカズラ」(別名:ハニーサックル):花は白から黄色へと変化して芳香も伴う半落葉性つる植物。開花期は春。
「パンジー」「ビオラ」:季節(気温)によって花色変わり、テラコッタ色からうす紫色などに変化。
「アジサイ」:植わっている土壌の酸性・アルカリ性が花の色を左右することはよく知られていますが、厳密に言えば”アルミニウムが多く含まれた酸性”ならば青色の花になり、”アルミニウムが少ない中性~アルカリ性”ではピンクや薄紅色の花になるのだそうです。
では、青く咲いている最中のアジサイをアルカリ土壌に植え替えるとどうなるか・・やはり薄紫色に変化するそう。
そしてアジサイにも、日がたつにつれて花の色変化する品種があるそうで、「西安」や「フェアリーアイ」は緑色やくすんだ赤色に変化する。
時とともに色変化する様は、「花の色は移りにけりな・・」という、小野小町が詠み、百人一首に入っている和歌が(その意味は違うものの!)思い浮かぶ。しかしそんな思いとは違った感覚で登場したのが・・
時とともに色変化する様は、「花の色は移りにけりな・・」という、小野小町が詠み、百人一首に入っている和歌が(その意味は違うものの!)思い浮かぶ。しかしそんな思いとは違った感覚で登場したのが・・
◎人工的・化学的に”温度で色変化する花”
プリザーブドフラワーに化学的処理を施して、温度変化に応じて花の色を変化させることができる商品がネットショッピング市場では多数登場している。
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◎2種の「はないかだ」:「花筏」と「ハナイカダ」
「花筏」は、桜の花びらが沢山散って川、池、堀などの水面に寄り集まって浮かぶ様を表す言葉。
↓「花筏」(画像は「和比X茶美」のHPから引用)
「ハナイカダ(花筏と表現する例もある)」という名前の植物は、雌雄異株で樹高約1.5mの落葉灌木で山地や里山などに生える。春から夏にかけて葉の中央に薄緑色の小さな花が寄り集まって一つにみえるような花をつける。晩夏の頃には紫気味の黒い実になる。葉を筏に、真ん中の花を筏師に見立てたネーミング。
↓「ハナイカダ」の葉の中央に咲く花(画像はweblio辞書より引用)
↓「ハナイカダ」の花の接写(画像はhttp://www3.kcn.ne.jp/さんのHPより引用)
↓「ハナイカダ」の実(画像は通販会社「charm」のサイトより引用)
※ハナイカダは葉の中央に実がなるが、イチョウの葉の縁に実がなる「オハツキイチョウ」というものもあり、これらは”実の元は花で、その花の元は葉である“ことを表す、つまり原初の姿が現れた”先祖返り”の例であるとする説がある。
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源平咲き、花筏・・粋な呼び方ですね。ある私の知人は、「道の駅」とはすばらしいネーミングと言っている。先日のテレビに出た人が「道の駅」の「駅長の○○さん」と紹介されましたが、なるほど「道の駅」で一番えらい人は駅長さんでした。
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