◎ヒトはメモをとる生物
「メモの魔力」(前田裕二 著:幻冬舎)という本が“2019年一番売れたビジネス書”だそうです 一方で「メモはとるな!」と主張する人もあり ともかくメモについて注目されているようですが・・メモをとる行為はヒトのみに当てはまるものでしょう ヒトのメモには“忘れること”に意識的に対処する働きがありますが 他の生き物はメモができないので 本能に組み込まれたメモ機能に頼ることになります
鮭は自分の生まれた川の匂いを自分の意識ではなく 本能で記憶して 一度大洋に出ても産卵のために元の川の匂いを頼りにまた戻ってきます
森に棲むリスは本能で木の実をあちこちの枯葉の下に隠しておくものの その内のいくつかの場所を忘れることが多いといわれますから リスの場合は場所記憶メモ本能は無いようです
◎優秀な人はメモを活用する
アインシュタイン マルクス コッホ ドラッガー ロスチャイルドなど 挙げたらきりがないほどの優秀な科学者 思想家 大物起業家などを多く輩出しているユダヤ系の人たち
ユダヤ人が優秀な理由はいくつか挙げられていますが その一つに 彼らは“とにかく頻繁に沢山「メモ」をする”・・と言われています 古今東西 ユダヤ人とは限らず偉人の中にはメモを多用したことで有名な人たちがいます 少々挙げてみると・・
レオナルドダビンチ(鏡文字なので他人は即座解読不能) ニュートン ダーウィン ナポレオン(書きなぐりで他人には読解不能) エジソン ベートーベン シューベルト 福井謙一(ノーベル化学賞)
※https://communication-relationship-skill.com/post-3912参照
メモの効用も多く語られていますが 言うまでもなく基本的には“忘れないため”であることですが 私は最近“あること”に気が付きました それは・・
◎メモ行為は目的により2大別・その一:生産的メモ
頭に浮かんだ良いアイデア あるいは そのアイデアを導くための多様な要素の網羅や関連付け これらを文字や図で可視化する 今風に言えば“見える化”して記録する性格のメモ それは何かを生み出すためのもの
発想ツールとして普及している「ブレインストーミング」「KJ法」そして「マンダラスゴロク法」などもメモの応用の一種とみることができます
◎メモ行為は目的により2大別・その二:非生産的メモ
あることを忘れると自分(又は自分が関係する人や組織)の行動や生活に悪影響がでる 場合によっては命にかかわる・・という事態になることを防止・回避するために 忘れてはいけないこと 間違ってはいけないことを記録するメモ・・例えば“人と会う約束の場所・時刻”“旅先での買い物金額”など・・しかし私がこの“非生産的メモ”の存在を強く意識した背景には 最近の“某国から流される映像”があります それは その国の最高位者がコメントを発する現場で その人を取り巻きながらメモをする人達が大勢いるシーンで これが非常に多いのです その人達のメモの目的は 最高位者の口から発せられた言葉を正確に覚え その言葉内容と異なることを口にしないようにしたり 内容から外れた行動ととられることを回避するためで そうしないと自分の地位は危うくなり 場合によっては自分の命も危ない・・という状況に対処するためであろうから この場合のメモはおよそ生産的とは言えないものでしょう
某国の“メモとりシーン”
“非生産的メモとり”は某国だけではありません 日本でもワンマンな経営者の会社の中でも見られることがあります また学校教育現場での教師の口述内容と黒板への書き込みを 生徒が単にノートに書き写すだけなのは先述の某国の例になにやら似たところがありますが ノートへの書き込みは意識的に工夫すれば 将来の生産的素材になるポテンシャルをもつメモともなる点で少し性格がちがいますが・・
◎“枕上(ちんじょう)”メモの取り方の新方法
昔から“良いアイデアが出やすい 物事を考えやすい場”として「馬上 枕上(ちんじょう) 厠上(しじょう)」と言われてきました
「馬上」は馬の背に乗り揺られながら 「枕上」は“夢の中で” “夢うつつの中で”“目覚め直後で” 「厠上」はトイレで・・(詳しくは 私のブログのアーカイブ欄の2019年2月の中の2月13日発信分を参照ください)
「馬上 枕上 厠上」ではいずれも 頭に浮かんだことをメモする用意が無いものですが 中でも「枕上」は性格上“考えついたことがすぐに消えてしまう欠点”がありますから 枕元にメモ用具を常備する人もあるようですが これからは“スマートスピーカー”や“スマートウォッチ”などの音声録音機能を活用するのもよいのでは・・
それとも“音声簡便録音機能が付いた目覚まし時計”があればよいのでしょうが・・これは市販されているのでしょうか?
◎メモ用の書き込み文字は・・
メモの機能は“自分の頭に浮かんだことを文字や絵で可視化して一時的に何かに記録する“ものですが 一般的には紙に記することが多いものです そこで使われる文字はと言えば・・読めればよいもので きれいに 丁寧に書く必要はありません
そこで私の脳裏に浮かぶのは“東大生は字がきたない”ことです もちろん全ての東大生に当てはまることではないでしょうが・・ 昔 隣家に来ていた東大生のアルバイト家庭教師は“びっくりするほど字がきたない”と言われましたし 最近でも東進ハイスクールの名物教師の林先生はご自身も東大出身ですが“東大生には字がきたない者が非常に多い”と述べています
これは何を意味するかというと・・メモやノートは その目的が大切であり そのためには字をうまく書いたり きれいに書くことは意味がなく むしろ字の体裁に神経を使うのは邪魔な行為である・・という自然発生的な結果なのでしょう こうして 頭脳回転効率が上がり 成績も良いことになるわけです
前述のように“ナポレオンのメモは書きなぐり”だったそうです!
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