◎こんな光景 見たことない 風パワー
まずこの写真をご覧ください
台風15号来襲から3か月経過した千葉県市原市のかつての立派な杉の林だったであろう場所の横をクルマで通りかけて見えたその光景に思わず停車して撮影したものです
太さ直径25センチほどの杉の木が100本ほど 幹が地上から15メートルくらいに達したあたりで皆折れているのです
台風被害でよくあるケースは大木が根元から倒されるものですが それは”お相撲さんが木をグイと押し倒す”ようなもので この杉林の場合は”空手家がパンッと蹴りをいれた”つまり瞬発的な衝撃で木が折れたようで このような異様な状態は見たことがありません
◎“ツングースカ大爆発”連想
私は思わず昔ロシアで起こった事件“ツングースカ大爆発”の光景を写した写真が頭に浮かびました
それはロシアのシベリアのツングースカ川上流の地域で 1908年(日露戦争終結3年後)の6月30日7時2分に巨大な火の玉が上空で爆発して広大な森の木々をなぎ倒し火災も起きた事件で 100年以上その原因がつかめなかったが2013年に“隕石によるもの”と解明されたものです
爆発現場(karapaia.comより引用)
この市原市の杉林とツングースカの森跡の写真には共通点が見られます
それは・・どちらも細い木は なぎ倒されたり折れたりしないで被害が少ないように見えます これは細い木のほうが相対的に柔軟性があるからでしょう
爆発現場(http://zapzapjp.comより引用)
ツングースカ川の位置(赤丸)(wikipediaより)
◎15号による風害は甚大
今年・令和元年9月から10月にかけて東日本は台風15号と19号による大きな被害がでました
被害地域の広さと水害の多さから19号のほうが より注目されていますが 15号による風害は とんでもない事態を招きました
実は19号の方が大型であったにもかかわらず15号の風害が大きかった理由は15号はコンパクトな範囲に風のパワーが集中したからで 具体的には 千葉県南部沿岸部から同じ千葉県の東京湾沿岸地域にかけてを「アッ」という間(午前2時~3時の間)に風力を注ぎ込んだのです
結果被害は・・マスコミ報道の通り”高圧電線鉄塔が折れ送電停止” “コンクリート電柱が折れたり倒れたり””電線に大木が倒れ掛かったり”で 大規模停電で一般家庭や商業施設・店舗は勿論停電だが 水道給水所のポンプ停止で水道停止 同様に携帯電話も停止 固定電話も殆どがAC電源使用タイプなので不通(昔の黒電話はOKか) “ゴルフ練習場のネット支柱の倒壊””屋根瓦と屋根裏がはがされて雨が室内に降り注いだり 漏れたり”したもので 停電と水道停止の両方が10日以上続いた地域も多かった
◎体験談と提案
千葉県市原市に住む私の知人の体験談によれば・・
・木造モルタル2階建ての自宅建物は午前3時頃は風で地震の震度2くらいに揺れた 当然眠られない
・3時15分頃 遂に停電 同時刻頃に2階の2部屋で雨漏り始まり 洗面器で水滴を受けた 原因は後述のように瓦が飛ばされたため
・朝になり庭に出てみたら 自宅屋根の瓦が 10枚くらいはがされて落ちて割れていた 一部破片は隣家の敷地にまで 飛んでいた
・落ちて割れた瓦(切妻屋根の縁に使われるタイプ)をつなぎ合わせて1枚にして重さを測ってみたら4キロありしかもその瓦の2カ所は2寸釘で木部にとめてあったもので これをはがして飛ばすパワーの凄さに驚く
・台風通過後に地区中の屋根を見ると 瓦が飛ばされた家の99%くらいが 伝統的な日本瓦の形をした瓦を葺いていて それ以外の平べったい瓦は飛ばされていないことは 今後の建築上考慮に値すると思える
・隣のお宅のカーポートは屋根部とともに太いアルミ支柱の上半分から折れて そのお隣にまで飛ばされそのお宅の2階ベランダをグチャグチャにしてしまった その他近隣では飛んだ瓦で他人様のクルマを傷つけたケースが多く発生
・15号通過翌日の日中の”室温“は33.5度もあり以後1週間は同様の温度でエアコンと扇風機無しで パンツ一丁で肩首に濡れタオルを掛けて団扇であおぎ続けた 熱中症の恐怖あった
・幸いに水道停止はなかったのだが この家はオール電化住宅なので風呂のお湯はできず かといって水シャワーは冷たすぎた また通常の炊事もできず 卓上カセットコンロを使ったが補充用ボンベの買い足しに苦労した(なかなか店に無い)
・非常用の手回し発電機能付きラジオが役立ったが ケイタイ充電機能が付いていないので買い替えたい
・今回 近隣のお宅の庭の“太陽光発電・充電タイプのガーデンライト”が一晩中あかあかと灯っていたのを見て これは十分にろうそく替わりになるどころか安全であるから メーカーは非常時にはろうそく代替になるタイプを出せば大ヒットするはず・・ということでした
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