◎「柏餅」の「柏」は本当は「槲」
いわゆる「柏餅」に使われている「カシワ」は「槲」の文字が正しいのですが「柏」が通用してしまっているもので、「柏」は本来「コノテガシワ」という別種を表す文字。
カシワの葉が使われる理由は・・カシワの葉は枯れても次の年に新芽が出揃うまでは落葉しないため、「家系が絶えない」「子孫繁栄」など縁起が良いとされたから。
しかし”端午の節句に食べる(柏餅に当たる)お菓子”は地方によって、使われる葉や呼び名などが異なる。
それを知ったきっかけは・・今から半世紀以上前のある年の端午の節句の日、私が柏餅を食べている時に、居合わせていた祖母(母方)が、「私が子供の頃は、端午の節句には『がめの葉』というもので包んだ餅を食べたものよ」と教えてくれたからで、祖母は現在の福岡県宗像市で生まれ育った人だから、私は、九州の福岡県では”ちがう習慣”なのだと理解し、後年調べてみたら・・
◎「サルトリイバラ」のことを福岡県北部では「がめ」と言う
“がめの葉”の”がめ”とは「サルトリイバラ」のことで、別名サンキライ(山帰来)、ガンタチイバラ、カカラなどという、サルトリイバラ科のつる性多年生植物で”つる”にトゲがある 秋に赤く丸い小さな実がなる。分布は日本全国、中国、朝鮮半島。
↑「がめの葉」という所以は、葉の形と葉脈が亀の甲羅に似ているから。
◎「サルトリイバラ」の葉使う餅(又は饅頭、団子)は近畿、四国、九州にある
「サルトリイバラ」は「がめ」の他にも地方によって異称があり、そのためにその葉を使った餅または饅頭、団子の名前もちがっている。
・福岡県北部・・異称は「がめ」 →「がめの葉」を使った「がめの葉餅」
・鹿児島県・・・異称は「かからん」→「かからん葉」を使った「かからん団子」
・長崎県・・・・異称は「かから」 →「かからの葉」を使った「かから団子」
・三重県・・・・異称は「いばら」 →「いばらの葉」を使った「いばら餅」
・徳島県・和歌山県・・異称は「いばら」 →「いばらの葉」を使った「ばら巻き」、「いばら饅頭」
・高知県・・異称があるか不明だが→「サルトリイバラの葉」を使った「しば餅」
・紀伊/四国/南九州・・「異称各種?のサルトリイバラの葉」を使って「五郎四郎餅」と称する地もある
・九州の一部地域・・「サルトリイバラの葉」を「だんごっぱ」と言う
↓鹿児島県・屋久島の「かからん団子」(日本テレビ系「遠くへ行きたい」2020年放送より)
↓かからん団子を(俳優の松尾諭が)手に持っているところと食べているところ
◎なぜ西日本ではサルトリイバラの葉なのか?
カシワもサルトリイバラも双方とも北海道から九州まで分布していることになっているが、カシワはどちらかと言えば寒冷地を好むため、西日本ではカシワの自生数が少ないことと、もともとサルトリイバラの地下茎は腫物、ニキビなどに効き、葉は風邪の解熱、膀胱炎など効くという効能もあってサルトリイバラの葉が使われるようになった。
※実は、このブログにちなんで、千葉県でもサルトリイバラが生えていないものか探し歩いたところ、見つけたので西日本でなくても存在していることが確認できましたが、それでもカシワの葉を使った柏餅しか在りません。
↓千葉県で見つけたサルトリイバラ(4mくらいの高さの場所にあるのでズーム写真がボケています)
◎柏餅の関西と関東のちがいは?
(↑「七條甘春堂」のHPより)
(↑「湘南菓庵 三鈴」のHPより)
◎関西の端午の節句は「ちまき」が多い
今回のブログの冒頭のイラストで皿の上に柏餅と並んだ「ちまき」。端午の節句にちまきを食べるのは関西が多いのですが、東北、北陸、中国地方も食べるそうで、岡山県ではちまきと柏餅の両方が存在しているとのこと。
「ちまき」は古代中国の楚の詩人・政治家の「屈原」の命日にあたる5月5日に供養のために備えたのが始まりだそうで、それが日本に伝わって平安時代には普及したとされるが、当時の中国文化の受け皿は奈良・京都であったため関西文化として定着したものの、それが関東などへは'(いわゆる)"下(くだ)らなかった"ものであろう。
「ちまき」は古代中国の楚の詩人・政治家の「屈原」の命日にあたる5月5日に供養のために備えたのが始まりだそうで、それが日本に伝わって平安時代には普及したとされるが、当時の中国文化の受け皿は奈良・京都であったため関西文化として定着したものの、それが関東などへは'(いわゆる)"下(くだ)らなかった"ものであろう。
◎鹿児島県の「あくまき」
端午の節句に特に鹿児島県で食べられる「あくまき」。”あく”は”灰汁”のことであり、文字通り(木材などを焼いて作った)灰を溶かした水に”もち米”を浸した後、孟宗竹の皮に包んで再び灰汁水で煮込んで作る。
アルカリ性である灰汁はもち米を軟らかくする上に殺菌性があり、保存がきくので、元々は昔の戦の際に食べられていたこともあって、端午の節句に関係付けられるようになったとされる。
「あくまき」は時に「ちまき」とも呼ばれるように、中国伝来のちまきが鹿児島に伝わってきて、この土地ならではのカタチに変化したもの・・という理由は・・なにしろ鹿児島県は竹林面積が日本一で日本の全竹林の1割以上を占めるほど竹豊富。ならば竹の葉よりも”巾が広くて強い竹皮”を使うべし‥と言うことになったのだろう。竹皮も殺菌力があるし!
「あくまき」の良さが伝わり、宮崎県や熊本県の人吉、球磨地方でも食べられるとのこと。
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